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『FXでは損?』ゼロサムゲームに投資してはいけないのか?

2022年3月28日

今回は、「FXはゼロサムゲームだからやっても損する」という記事を読んだため、本当にそうなのか、筆者個人の見解を書いてみました。

結論としては、『ゼロサムゲームだからと言って必ずしも損するわけではない』と考えています。

この理由を解説いたします。

FXがゼロサムゲームと呼ばれる理由

FXがゼロサムゲームと呼ばれる理由ですが、「一方の通貨が上がった場合、もう一方の通貨が下がってしまう」からです。

つまり、ドル/円を例にすると、ドルが買われれば円が売られることを意味します。言い換えると私がドル/円取引で10万円のドルを買った場合、誰かが10万円分のドルを売ったことになります。

※証券会社を通しているため、実際には追加で取引手数料が発生しています。

つまり、私が10万円分の利益を得た場合、逆に10万円分の損を出した人がいるということです。

言い換えると「決まったパイの中で利益の奪い合い」をするのがFXになります。

株式投資はプラスサムゲームである。

FXとよく比較される株式投資ではどうでしょうか。

株式投資でもFXと同様に買う人と売る人のどちらが多いかで株価の動きが決まります。そのため、一見するとFXと同じように思えます。

しかし、株式投資では企業が配当という形で投資家に利益を還元してくれます。そのため、「大きくなっていくパイをみんなで分け合う」ことができます。

(実際はそんなに綺麗な相場ではありませんが)

「業績の良い企業の株式はみんな買うからプラスサムゲーム」という理屈がたまにありますが、これは間違いです。もしこれが通ってしまえば、「トルコがハイパーインフレでトルコリラをみんな売る。だからプラスサムゲーム」という理屈が通ってしまいます。

あくまでも配当という付加要素があるからプラスサムゲームになります。もっと言えば、毎日株をいじくりまわしているデイトレードにとっては”ゼロサムゲーム”と言えます。

宝くじはマイナスサムゲーム

身近な例として”宝くじ”を挙げてみます。

宝くじはマイナスサムゲームと言われています。その理由は宝くじを買ったところで買った人たちの利益の総和がマイナスになるからです。

要するに、

  • 宝くじを買っても、誰かが必ずしも高額賞金が当たるわけじゃない
  • 仮に当たっても、賞金総額が購入総額より下回る可能性がある

ということになります。

ちなみに胴元(宝くじを売っている人たち)の利益は約50%と言われています。つまり、購入総額の半分が常に差っ引かれているわけです。

「宝くじで夢を買おう」なんて宣伝してる癖にやってることがかなりえげつないです。

「無駄?」FXはゼロサムゲームだからダメなのか?

本題に戻して、「ゼロサムゲームだからダメなのか?」という疑問に関しては、筆者は否定的です。

なぜなら、ゼロサムゲームだろうと勝つ側に立ち続ければよいだけです。

もっと極端なことを言えば「宝くじに当たってしまえばマイナスサムゲームだろうと関係ない」ということです。

「そんなことできないから困ってるんだろ!」という声があることは充分理解しています。

しかし、Twitterを見てみれば分かりますが、

  • 10%以上の含み損を抱えているのにハイパーグロースを抱えている人
  • チャートを見ずに無鉄砲に買い増しする人
  • 胡散臭いFXトレードツールに手を出している人
  • 博打投資をして消え去る人

こんな人たちが本当に多いです。こういった人たちが消えない限りは、たとえゼロサムゲームだろうと筆者程度でも生き残り続けることができるでしょう。

少なくともきちんとチャートを見て、状況を伺いながら投資している限りはプラスサムだろうとゼロサムだろうと関係ないと思っています。

損切りをしなければプラスサムでも生きていけない

結局、プラスサムだろうとゼロサムだろうと損切りやリスク管理ができていなければ、あっという間に損失を被る世界が”投資”です。

株式投資でもせっかく年初来5%の利益だと思ったら翌月10%の損失になることはよくあることです。

また、ゼロサムゲームの理屈を使っていえば、勝った回数と負けた回数が同じでも勝つときには大きく、負けたときには小さく損益を出すようにすればよいだけです。

利益の総和がゼロになるなら、早めに損切りして他の誰かに自分の損失を抱えてもらいましょう。

株式投資でも「頭と尻尾はくれてやれ」という格言がある通り、許容範囲で欲張りになればよいだけです。

それでも株式投資とされる理由は?

それでも「株式投資のほうが良い」とされる理由は、いくつかあります。

(筆者もFXよりも株式投資のほうが好きです)

株式投資の場合、

  • ロスカットがなく、安心して長期保有できる。
  • 通貨じゃなくて企業を選ぶため、投資対象が幅広い。
  • 配当金がある。
  • インデックス・ファンドと比較的安心な投資先がある。

といった点があるため、投資を続けていくうえで”安定した”パフォーマンスを出しやすいです。

対して、FXではロスカットがあるため、実質塩漬けができなく、ただ持っているだけでは配当がつきません。

そのため、「FXと株式どっちが楽か?」と聞かれれば、「株式です」と答えます。株式のほうがストレスが少なくて済むからです。

株式でも”為替が重要”なワケ

ただし、誤解してほしくないのは、株式投資をしているから為替が一切関係ないということにはなりません。

筆者のように米国株式へ集中投資している場合、売買の仮定で円⇒ドル⇒円といった過程があります。

つまり、購入時の円価格から売却時の円価格が上がっていればその分利益が増え、逆に売却時の円価格が下がっていればその分利益が減ります。

また、日本株でも直接の影響がないものの、円安だと自動車、電機などの輸出関連株が上昇する傾向にあります。円安だと1ドルあたりの価格が上がり、海外での利益が上がる要因となるからです。

そのため、「株式投資だから」と言って為替事情に無頓着となってはいけません。

まとめ

今回は、「FXはゼロサムゲームだからやってはいけない」という意見に対して、筆者なりの反論を書いてみました。

筆者自身はFXをやらず、株式投資一本ですが、それでも「FXはゼロサムゲームだからやってはいけない」という意見には反対です。

理由としては、

  • 例えゼロサムでも勝者に立ち続ければよい
  • 「勝つときはなるべく大きく、負けるときはなるべく小さく」の鉄則を守ればよい
  • 株式投資でも負ける奴は負ける

といった理由があるからです。

また、株式投資一本でも為替相場の影響を受けるため、株式とFXは切っても切れない関係です。よって、為替相場を常にチェックするようにいたしましょう。

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