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「レバレッジETFは危険?」投資するうえで気をつけておきたいポイント

2021年10月10日

レバレッジETFが危険な理由を解説します。

読者の中には既に信用取引でレバレッジをかけた売買をしたことがあるかもしれません。

しかし、大体の方は現物取引にのみとどまり、信用取引をしたことがないでしょう。

中には、

「信用取引はやめておけ!」

「レバレッジは3倍程度に抑えておけ!」

といった情報から信用取引に前向きでない方もいるでしょう。

では、今回は信用取引に準ずるレバレッジETFについて解説していきます。

レバレッジETFとは?

そもそもレバレッジETFなんでしょうか?

レバレッジETFとは、株価指数やコモディティ価格などの値動きに2倍~3倍の倍率で連動するETFになります。

指数に比例して動くETFが多いですが、中には反比例するETFもあります。比例するETFをブルETF、反比例するETFをベアETFと言う場合もあります。名前の由来はブル相場、ベア相場から来ています。

そのため、上昇相場はブルETF使って、下落相場でもベアETFを活用することで、大きく利益を得ることが可能ということです。

このレバレッジETFの大きな特徴として、現物取引用の証券口座さえあれば誰でも売買できることです。

一般的に信用取引をする場合、信用取引用の証券口座を別途開設しなければいけません。そのためには、いくつかの条件(取引歴、準備資金)をクリアする必要があります。よって、誰でもすぐに信用取引できるわけではありません。

しかし、レバレッジETFなら誰でも簡単に開設できる現物取引用の口座で取引できてしまいます。

「なぜ危険?」レバレッジETFの気を付けたいポイント

レバレッジETFは相場に上手く乗れば、大きく利益を得られる便利な商品であることは間違いありません。

一方で、レバレッジETFは”非常に危険な商品”でもあります

レバレッジETFがなぜ危険であるのか?

レバレッジETFを取り扱う上で気をつけたいポイントを解説します。

①手軽にレバレッジをかけられる

手軽にレバレッジをかけることができるETFだからこそ、その”手軽さ”が命取りとなります。

2倍、3倍のレバレッジを簡単にかけられる分、小さな上昇相場でも大きく含み益を得ることができます。しかし、逆に下落相場となれば2倍、3倍となって含み損になります。

冷静に考えれば、「含み益となったら含み益のまま売る、含み損となったらこれ以上大きくならないように売る」と機械的に対応すれば大きな問題となりません。

しかし、大多数の人(筆者を含め)は、「もっと含み益が大きくなるはずだ。まだ持っておこう!」「やばい、含み損がどんどん大きくなる。でも持ち続ければそのうち含み益になるはずだ」と自分の都合の良い考え方をその場その場でしてしまいがちです。

これらを回避するためには、独自に売買ルールを決めておくことが重要となります。

例として筆者が信用取引する際に決めているルールを紹介すると、

  • 「2週間後に必ず売る」と期限付きで買いに入る。

  • マイナス10%以上の含み損となった場合、即座に売る。

 

といったものになります。

こうしたルールを決めておけば、心がゆらぐことなく利確ができます。

②高い経費率がかかる

次に、ETFならではの問題として、高い経費率が挙げられます。

CFD(差金決済)の場合、手数料を無料としている証券会社がほとんどです。対して、レバレッジETFは経費率(運用手数料)がかかってしまいます。

ETFである以上、経費率がかかってしまうのは仕方がないことです。しかし、レバレッジETFのようなニッチな商品では1%近くかかってしまいがちです。そのため、通常のインデックスETF(VTI、SPY)と比べて非常に高い経費率です。

そのため、長期間保有するにはあまり向かず、短期間で大きく利益を得たいときに買う商品と考えてください。

とはいえ、魅力的な商品でもある

ここまでレバレッジETFの特徴(特にデメリット)を解説しました。そのため、「レバレッジETFってあんまり魅力的じゃないのでは?」と思うかもしれません。

しかし、前述した通り、証券口座さえあれば誰でも買えてしまう点は非常に大きなメリットです。

2021年10月10日現在のように、米国株式市場が大きく下落している状況では”売りから入る”ことが有効な手段のひとつとなります。

よって、インバースETFでベア相場でも手軽に投資しよう!で紹介しているようなベアETFを買うことで下げ相場でも利益を得ることができます。(とはいえ、火遊びは程々に)

また、下げ相場が終わって上げ相場となったときは、ブルETFに切り替えることでさらなる利益に繋がります。

よって、「レバレッジETFというものがあるんだ!」と知っておくだけでも、状況に応じて取れる戦略が大きく広がります。

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