レポート

「投資すべき!」原油・天然ガスが急騰した理由は!?【2021/10/23レポート】

2021年10月22日

天然ガス・原油価格が高騰している理由を解説します。

今回は、2021年10月現在、原油&天然ガスが高騰している状況を解説していきます!

 

  • なぜ高騰しているのか?

  • 今後の動きはどうなるのか?

 

みなさんが投資をするうえで、本記事が判断材料のひとつになれば幸いです。

原油・天然ガスが爆上げした理由

2021年9月に入ってから原油価格がトレンド転換し、+30%以上の爆上げ状態となっています。天然ガスは9月下旬に底値となってから、同様に+30%の爆上げとなった後、調整局面となっています。

主な要因として、インフレが加速しつつある懸念があるからです。インフレの局面では現金よりも株式、コモディティといった金融商品を持っていたほうが有利です。そのため、株式、コモディティにはインフレは追い風となります。しかし、インフレと同時に不景気が懸念されており、スタグフレーション(インフレ+不景気)という最悪のリスクがあります。そのため、株式市場も堅調に伸びるとは思いづらいです。よって、コモディティへの資金流入が期待されます。

また、スタグフレーションだけでなく、欧州、中国での電力不足問題が起きていることも要因の一つです。

なぜ同じ時期に欧州、中国で電力不足が起きているのか?

それは中国の脱炭素化が関係しています。

中国では脱炭素化を目指し、二酸化炭素の排出量を減らすため石炭から天然ガスでの発電にシフトしています。また、石炭で発電しても販売価格に制限がかけられているため、電力会社は石炭発電での増産がしにくい状況となっています。そのため、電力会社は渋々天然ガスでの発電を行なっていますが、供給を満たせていない状況となっています。

この余波が欧州にも及び、中国が天然ガスを買い占めによって欧州に天然ガスが供給されない状況となっています。

欧州も中国同様、天然ガスでの発電にシフトしているため、電力不足に陥っています。また、供給不足から天然ガス由来から原油由来のものへ切り替える動きがあり、原油価格の高騰も招いています。

政治的要素も関係している

供給不足を解決するため、ロシアがドイツに送る海底パイプライン「ノルドストリーム2」を開通し、ロシア産天然ガスを欧州各国へ供給する計画が進んでいます。しかしながら、ドイツとしてはアメリカとの関係を維持したいため、アメリカと仲が悪いロシアからの天然ガス供給を快諾しにくいという背景があります。また、欧州各国でも賛否両論があります。よって、「ノルドストリーム2」が稼働すれば天然ガス価格が暴落する懸念があるものの、そもそも稼働しない公算があります。仮に稼働しても今すぐに稼働するかは疑問です。

次に、中国の電力不足に関しては改善まで時間がかかるとされています。天然ガスの供給が追いつかない以上、生産会社が増産していくしかありません。そのため、当分は価格が高止まりすることでしょう。

筆者がおすすめしたい投資先

原油&天然ガスが高騰し続ける状況で、皆さんがどのように投資をすればよいのか?

判断材料として使っていただけるように、筆者がおすすめしたい銘柄を2つご紹介します。

 

1.エクソン・モービル(XOM)

2.アンテロ・リソーセズ(AR)

 

これら2銘柄を詳しく解説していきます!

エクソンモービル(XOM)

エクソン・モービルの株価チャートです。

エクソン・モービルの株価チャート

  • 執筆時の株価:62ドル
  • PER:38.59
  • 配当利回り:5.56%

エクソン・モービル(XOM)は、アメリカに本社を置く石油メジャー最大手であり、スーパーメジャー6社のうちの1社にあたります。

200カ国以上で事業展開し、うち21カ国に30以上の石油精製所を保有しています。

脱石油・脱炭素の煽りを受け、石油事業に向かい風が吹いていますが、すぐさま石油需要が無くなるわけではありません。そのため、数年の間は気にしなくて大丈夫です。

また、クリーンエネルギーへの投資にも積極的に活動し、これまで130億ドル以上を投資しているとのこと。

投資対象として配当利回りが5%以上あることから、配当銘柄として長期保有する価値はあります。

アンテロ・リソーシズ(AR)

アンテロ・リソーシズの株価チャートです。

アンテロ・リソーシズの株価チャート

  • 執筆時の株価:19ドル
  • PER:20.75
  • 配当利回り:0%

アンテロ・リソーシズはアメリカに本社を置く石油・天然ガス会社です。石油・天然ガスともに1億バレル以上の埋蔵量を保有しています。アンテロ・リソーシズの最も魅力的な部分が、アパラチア山脈に保有している天然ガス田です。優良な天然ガスを採掘でき、生産コストが低くすみます。

そのため、天然ガスの価格上昇で恩恵を受けやすい銘柄です。現時点でPERは20付近であり、小型株であることから日々の値動きは激しいかと思います。しかし、優良な銘柄のひとつであるため、投資候補としてぜひ検討してみてください。

決算発表が近いため、結果次第で買いに入ってもよいと思います。

原油・天然ガス銘柄は値動きが激しい

最後に、原油・天然ガス銘柄を購入する際に注意しておくべきことをお伝えします。

原油・天然ガス銘柄は資源価格に連動して動きますが、その値幅は大きいです。また、株式のため、将来の分を先取りして値動く性質を持っています。

よって、原油・天然ガスが下落する場面では大きく下落します。仮にその下落が短期のものであった場合、冷静かつ辛抱強く持ち続けなければなりません。逆に長期的な下落であれば、すぐさま売り逃げなければなりません。

そのため、投資家として自信がないのであれば、原油・天然ガス銘柄には手を出さないほうが得策かもしれません。

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