チャート分析

【解説】「フォロースルーデー」とは?絶好の買い場チャンスを見逃すな。

弱気相場が続いていた米国株式指数ですが、3月14日~18日の週で大反発をしました。これまで押し目買い投資家を苦しめてきましたが、いよいよ底打ちの可能性が見え始めました。

米国投資メディア「Investor’s Business Daily」では、相場の転換点「フォロースルーデー」の判定を出しました。(有料記事の為、引用は控えます)

では、その「フォロースルーデー」とは具体的にどのようなものなのか、解説していきます。

また、今から投資しても遅くないのか、出遅れた方向けに今後の戦略を提案していきます。

「フォロースルーデー」とは?

「フォロースルーデー」とは、ウィリアム・オニールが提唱した”調整局面から上昇局面へ転換した際に見られる重要なサイン”になります。

以下の具体的なサインが、連日(もしくは数日中)に見られると「フォロースルーデー」と判定されます。

第1条件:下落から大きな上昇へ転じる(大きな陽線)

第2条件:前日よりも出来高&陽線が大きくなって上昇する。

要約すると、「ずっと下落ないし調整局面が続いていた中で、ある日急に大きな陽線が発生したとき、その動きが数日続いている。しかも、上昇&出来高が初日よりも大きくなっている」場合、相場が強気に転換するわけです。

ただ、この辺の定義は明確に決まっておらず、ひとによって多少の違いがあるため、あくまで目安と思ってください。

なぜ強気相場入りとなるのか?

「なぜ強気相場入りしたと判断できるのか?」という疑問が出てくるかと思いますが、一言で表すと”機関投資家が買いに入った”からです。そのため、急に大陽線が出現します。

その動きに続くように、これまでやられ続けた個人投資家も急に強気となって買いに入るため、相場がますます強気に動きます。(筆者もイナゴのように飛びつきました)

こうしたことから、我々個人投資家からすれば”フォロースルーデーの定義”などどうでもよいということです。大事なことは”フォロースルーデーの判定が出た”、”判定が周知された”という2つの事実をいち早く嗅ぎつけることです。

先ほどもお伝えした通り、「フォロースルーデー」の定義はひとによってやや異なります。そのため、自分の中で「フォロースルーデーが出た!、行けるぞ!!」とカンカンに強気ならば、すぐさま買い向かえばよいです。自信がなければ周囲の反応をうかがってからじっくりと買い向かえばよいだけです。

2022年3月のフォロースルーデーを振り返ると...?

今回のフォロースルーデーを振り返ってみると、FOMC会合後のパウエル議長のスピーチがキッカケとなりました。

パウエル議長のスピーチではインフレへの懸念、3月の0.25%利上げ決定に関する発言があったものの、肝心の利上げペースについては大きく言及しませんでした。(というより、できなかったのでしょう)

そのため、すでに3月0.25%利上げは市場が折り込んでいて、かつその他サプライズがなかったため、市場が好感を示しました。よって、大きな上昇に転じました。

少し過去を振り返ると、2月のウクライナ情勢が悪化した際も、ナスダックを中心に指数が大きく上昇したパターンがありました。連日の上昇とならなかったため、「フォロースルーデー」とはなりませんでしたが、それでも一日で大きな上昇となっています。

これもロシア侵攻により、FRBの利上げペースが遅くなるとの予想があったためです。

つまり、「フォロースルーデー」が出るタイミングとは、何かしらのキッカケが必要ということが分かります。

2012年の「フォロースルーデー」を振り返ってみると...?

もっと昔の2012年を振り返ってみましょう。2012年4月26日に米国投資メディア「Investor’s Business Daily」が「フォロースルーデー」の判定を出しました。

2012年4月はこれまで快調だった米国株式相場が急に下落した月であり、ある意味2022年の1月相場に似ています。

しかしながら、残念なことに「フォロースルーデー」は一時の淡い希望となっただけで、すぐさま下落相場が再来しています。ちょうど4月30日にてっぺんをつけたS&P500は6月6日にかけて-10%以上のパフォーマンスとなりました。

そのため、「フォロースルーデーが出た!」と強気に買い向かった投資家、特に出遅れて買った個人投資家は大きな痛手を負ったことになります。

ただし、今回と違った点として、2012年4月のS&P500の下落はたったの-5%程度です。そのため、調整相場入りすらしていません。逆に今回の2022年相場はすでに-10%以上の調整が入っています。

よって、今回が2012年4月の再来とはならないかな?と予想しています。

2022年3月現在の今後の投資戦略

では、今後の投資戦略として、筆者はやや強気に見ています。”やや強気”と言葉を濁した理由は、

  • ウクライナ情勢の今後
  • インフレの影響
  • 不況の到来

といった未確定な要素が多いからです。

現状を見る限り、ウクライナ情勢が泥沼化していく可能性のほうが高く、最悪のパターンとしては不況が到来するわけです。

そうなった場合、利上げが遠のき、株式市場にとってはプラスとなります。(皮肉な話ですが)

しかし、利上げ懸念をとりあえず先延ばししただけでもあるため、どこかでシワ寄せが来るでしょう。

そのため、とりあえず今は

  • 指数におとなしく投資する。
  • 徐々に不況に強いディフェンシブ株(ヘルスケアなど)へ投資する。

の2つがよいのか?と思っています。

また、ゴールドのチャートが良い形をしているため、少しずつ買い向かっています。

出遅れた投資家はどうするか?

出遅れてキャッシュ比率が50%以上ある人は、とりあえず指数に連動するETFヘおとなしく投資していくことをオススメします。その際に、今日、明日ドサッと買うのではなく、チャートを見つつ冷静にじっくりと買うことをオススメします。

また、不況が見えつつあったらヘルスケア株へ投資することをオススメします。筆者も初めてアッヴィ($ABBV)を買えて、ウキウキ気分です。

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