レポート

『ロシアが侵攻開始!』2022年2月の米国株式パフォーマンス

今回は、2022年2月の米国株式市場を振り返っていきます。

ウクライナ情勢が悪化し、ロシア侵攻が始まった2月ですが、株式市場はどのような反応をしたのか、解説していきます。

気になるニュース

まず、2月に話題となったニュースをまとめてみました。

 

  • ロシアがウクライナ侵攻開始

  • 原油先物、続伸!

 

それぞれ詳しく解説していきます。

『ロシア侵攻』ウクライナ情勢の悪化

2月24日にロシアがウクライナへの侵攻を開始しました。これまで緊迫した状態が続いてきたウクライナ情勢ですが、ついに武力衝突にまで発展しました。

これを受けて、株式市場が急落を迎えたかに見えましたが、市場開始直後に底値をつけてから1時間ほどで大きな上昇に転じました。

これまで特に売られていたナスダック100指数に注目すると、前日値から底値13060台(マイナス3%以上)の下落に襲われた後、大きく反発し、24日の終値は13970台と6%以上の上昇をつけました。

このような大きな反発が起きた理由は、ウクライナ情勢の悪化(というより戦争勃発)を受けて、投資家たちの間でFRBによる利上げが遠のいたと予想されたためです。

では、「このまま上昇基調が続くのか?」という疑問は、残念ながらそうはなりませんでした。

2月末にかけて横ばいが続き、3月からは下落に転じました。執筆時の3月13日時点では24日につけた底値に届きそうな勢いとなっています。

『100ドル台突破』原油先物、続伸!

原油先物WTIのチャートです。

原油先物WTIのチャートです。

これまで上昇し続けた原油先物ですが、2月に入ってもその勢いは止まらず、続伸しています。

原油先物WTIを例に見てみると、月初めの88ドル台から横ばい基調ではありますが徐々に上昇していき、月終わりに96ドル台と10%近くのプラスとなりました。

また、24日の原油価格に注目すると100ドルの大台を突破しています。ロシア侵攻が始まったことを受けて、コモディティに資金が流入したことが主な要因です。

今後も原油高が続きそうですが、あまりにも上昇しすぎているため、どこかのタイミングで急落する可能性があります。そのため、堂々と強気に買い向かうことはもうできなさそうです。

米国株式市場のパフォーマンス

次に、実際の米国株式市場がどのようなパフォーマンスとなったのか、振り返っていきます。

乱高下がかなり激しい相場であったため、損切りせざるを得なかった個人投資家たちも多かったでしょう。

かくいう筆者も泣く泣く損切りしたものの、翌日には上昇して”泣きっ面に蜂”で追い打ちをかけられました。

S&P500のパフォーマンス

S&P500のチャートです。

S&P500のチャートです。

S&P500のパフォーマンスですが、月初めは4500ドル台から4600ドルを目指す展開となりましたが、たったの数日で下落に転じました。しかし、25日移動平均線がサポートラインとなり、4500ドル台を横ばいする展開が続き、8日に反発に転じました。

しかしながら、10日に4600ドル台に乗らず、再び下落に転じました。

25日移動平均線を一気に下抜けていき、下落が続きました。24日にロシアとウクライナの武力衝突が発生すると、2月最安値の4100ドル台となり、月初めからすれば10%近くの下落となりました。

ですが、24日市場開始につけた底値から大きく反発していき、その日のうちに底値からプラス4%の結果となりました。また、その後も続伸し続け、週終わりには4370ドル台となり、底値からプラス5%以上の結果となりました。

とはいえ、月初めから比較するとマイナス3%以上の結果となります。

ダウのパフォーマンス

ダウのチャートです。

ダウのチャートです。

ダウのパフォーマンスですが、月初めの35000ドル台からやや上昇基調でしたが、S&P500と同様に、数日で下落に転じました。

また、25日移動平均線をサポートラインとして、8日に再度トライしていく場面がありました。しかし、こちらも大きな上昇にはならず、すぐに下落に転じました。

そこから24日まで下落が続き、底値32000ドル台を記録しました。

そこからの展開はS&P500と同様に大きな陽線となって、急反発を迎えました。

結果、底値からプラス5%ほどのパフォーマンスとなりました。しかし、月初めからするとマイナス3%以上の結果となっています。

ナスダック100のパフォーマンス

ナスダック100のチャートです。

ナスダック100のチャートです。

ナスダックのパフォーマンスですが、チャートはS&P500、ダウと似た動きをしています。

しかしながら、値動きはいずれの指数よりも大きく、最もダメージを受けた指数になります。

細かい動きは省略しますが、月初めから24日の底値までマイナス13%のパフォーマンスとなりました。底値から月終わりまで7%の上昇です。

しかしながら、他指数と同様に月初めから比べるとマイナス5%ほどの悪いパフォーマンスとなりました。

今後の市場展望

今後の市場展望としてはロシアの軍事侵攻がどれだけ長引くのかが鍵になりそうです。

もし長期化するようなら、ロシアに対する経済制裁が大幅に行なわれることでしょう。そうなった場合、石油・天然ガスを中心にコモディティが大きく上昇していきます。

懸念事項としてはコモディティがあまりにも急騰してしまった場合、消費の低下を促し、米国の景気後退リスクが意識され始めることです。

そうなった場合、せっかくの「パンデミックが明けたから好景気が来るぞ!」というシナリオがなくなってしまいます。

ウクライナ情勢に関しては引き続き注目する必要があります。

また、3月にはFOMC会合があるため、利上げに関して何かしらの言及があるはずです。こちらのメッセージにも要注意です。

 

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