チャート分析

【チャートの基本】移動平均線の使い方を解説します。

今回は、株式投資をするうえで絶対に知っておきたいトレンド指標”移動平均線”について、解説していきます。

移動平均線は扱いやすい指標の1つであり、多くの投資家が参考にしています。

そんな移動平均線のメリット・デメリットを分かりやすく解説していきます。

株価のトレンドが分かる”移動平均線”とは?

S&P500と移動平均線

S&P500と移動平均線

“移動平均線”を一言で表現すると「一定期間の株価を平均した線」です。つまり、株価の平均値を表しているため、現在の株価と比較することで株価が上昇しているのか、下落しているのかが視覚的に理解できます。

株価が上昇しているかどうかなんてものは、移動平均線を見ずしてもローソク足の推移を見ていれば”なんとなく”分かります。しかし、移動平均線を使うことで視覚的に平均との差が分かるようになります。

よって、移動平均線との乖離を株価が今どれだけ上がっている/下がっているのかの指標とすることができます。

平均期間はどう考える?

移動平均線を実際に使う上で、どの期間を平均とするかによって移動平均線の動きは大きく変わっていきます。

5日、10日と短期間の設定にすれば現在の株価に細かく反応します。逆に25日、50日と長期間の設定にすれば現在の株価に対して鈍感に反応します。

では、5日、10日の短期間設定がよいのかと言うと、そういうわけではありません。

あくまで平均との乖離を知るための指標であるため、長期間の設定にしておくほうが動きがマイルドで、日々の動きに振り回されずにすむメリットがあります。

よって、あなたのトレードに合わせた設定をしておきましょう。

期間は25日&50日で充分!

また、期間は5の倍数に設定することが一般的です。(5日、10日、25日、50日といった具合に)

5日移動平均線が1週間分、10日が2週間分、25日が5週間分と1週間刻みになり、多くの人がこうした設定をしているからです。

“多くの人が使っている”点が非常に大切で、投資家たちと同じ目線に立つことで買い/売りタイミングなどの歩調を合わせることができ、利益を出しやすいです。

では、実際に筆者が使っている移動平均線は、25日と50日移動平均線になります。基本的に数か月単位の売買を行なっているため、普段は50日を使い、売買する際に25日もチェックしています。

読者さんがデイトレードを行なっているのであれば5日、10日などの短期の移動平均線を使うようにしましょう。

覚えておきたい移動平均線の3つの性質!

では、ここで移動平均線が持っている3つの性質をおさらいしましょう。

これまでの説明を分かりやすくまとめた内容になります。

株価に遅れて動く。

移動平均線は平均値を反映しているため、株価に遅れて動きます。

株価が上昇し始めても移動平均線は数日してから上昇し始めます。株価が下落し始めた場合も同様です。

株価の変動度合いにもよりますが、だいたい平均する期間の半分の日数が経過してから反応します。

移動平均線の上下位置がトレンドを示す。

株価が動き始めると、後を追いかけるように移動平均線が動き始めます。

よって、株価が上昇トレンドにあれば移動平均線は株価の下に位置します。逆に株価が下落トレンドにあれば移動平均線は株価の上に位置します。

 

株価が上、移動平均線が下 ⇒ 上昇トレンド

株価が下、移動平均線が上 ⇒ 下落トレンド

 

このトレンドラインに近い性質から売買タイミングを判断することができます。

滑らかに推移する。

株価は日々の上げ下げでジグザグとした動きになります。

しかし、移動平均線は株価の動きを平均化したものであるため、滑らかに動きます。平均期間が長ければ長いほど移動平均線は滑らかになります。

そのため、株価のトレンドを綺麗に表してくれます。

移動平均線は買い・売りのタイミングに活用できる!

移動平均線の3つの特性が分かったところで、実際の売買タイミングを判断するにはどうしたらよいのでしょうか?

一般的には短期と長期の2本の移動平均線を組み合わせる場合があります。短期のラインが長期のラインと交差した場合、トレンドの転換と判断します。このタイミングを活用して売買を決めるケースがあります。

しかし、筆者はあまりこの投資方法が好きでないため、次に紹介する方法を推奨いたします。

サポート・レジスタンスの役目を果たす

移動平均線がサポート・レジスタンスの役割となるケースがあります。

株価が下落して移動平均線より下に位置しているなか、株価が上昇に転じて移動平均線を上抜けした場合、下落から上昇へトレンドが転換したと判断することができます。そのため、上抜けしたタイミングで買いに入ります。逆に株価が移動平均線を下抜けした場合、売りに入ります。

このときの移動平均線は25日、50日を使っています。これは多くの投資家がサポート・レジスタンスとして注目していて、このタイミングで買い・売りが入りやすいからです。

S&P500が50日移動平均線をサポートラインに反発し続けたチャート

S&P500が50日移動平均線をサポートラインに反発し続けたチャート

ただし、この方法では既に上昇トレンドが続いている場合の買い(または下落トレンドでの売り)だと反応が遅くなります。よって、ほかのテクニカル指標も活用してトレードするようにしましょう。

「グランビルの法則」を覚えよう!

次に、移動平均線を活用した「グランビルの法則」を紹介します。

「グランビルの法則」は先ほどお伝えした移動平均線を上抜け(または反発)した際に買い、下抜け(または反落)した際に売る法則です。

これに加えて株価が移動平均線と乖離している場合に買い・売りをする法則になります。

しかしながら、株価が移動平均線と乖離しているときというのは、急騰・急落していることを意味します。

そのため、

「まだ値が上がるはずだから利確したくないな...。」

「こんなに株価が下がっているのにここから買いに入るのか...。」

とかなりストレスのかかる投資方法になります。言い方によっては”投機”と言えます。

特に後者の売りでは、成功すれば大きく利益を得られますが、失敗すれば大損するリスクがあります。また、仮に一度成功しても次に同じ方法で成功しない可能性があります。変に利益が出てしまい、癖になっては困る投資方法でもあります。

まとめ

今回は、移動平均線の特性についてお伝えしました。

移動平均線は誰もが使っていて、最も分かりやすいトレンド指標になります。

この使い方が分かれば、株の売買が非常にしやすくなります。

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