株式投資

「2022年最新」クルーズ銘柄(CCL、NCLH)の今後の見通し

2021年9月5日

今回は、今最も割安な銘柄の一つであるクルーズ銘柄について、解説していきます。

オミクロン株の影響で未だコロナ以前の株価に戻っていませんが、将来的には大きく株価を伸ばす可能性があります。

もし資金に余裕があるのなら、クルーズ銘柄へ押し目買いしてみてはいかがでしょうか。

コロナ後のクルーズ銘柄

今回は、コロナ後に株価が大きく上昇することが期待されているクルーズ銘柄の動向について解説していきます。

まず、2020年3月ごろに大暴落したクルーズ株を代表銘柄カーニバル・クルーズ(CCL)を指標として見てみましょう。

カーニバルクルーズ(CCL)の株価チャートです。

カーニバルクルーズ・(CCL)の株価チャート

50ドル付近で横ばいしていた株価でしたが、急落局面を迎えた途端、8ドル付近まで暴落しました。つまり、マイナス90%にもおよぶ驚異の大暴落だったわけです。

その後、8ドルを最安値として下値を切り上げながらじりじりと上昇していきましたが、2021年3月~6月にかけてつけた高値30ドル付近がレジスタンスとなっていることが分かります。よって、6月から下落基調に切り替わり、20ドル付近まで下落しています。

株価の低迷具合から今すぐに急回復することは期待できないでしょう。ただし、元々の株価が50ドル付近であることから、事態が収束次第、2倍以上値を上げることが期待できます。

そのため、どこかの段階で買いに入りたいセクターです。

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8月の米国雇用統計が向かい風?

とはいえ、2021年9月3日に公表された8月の米国雇用統計を見る限り、買いに入るのにはまだまだ時間を要するようです。

8月米国雇用統計の結果をまとめると、

 

  • 非農業部門雇用者数:23.5万人(予想:75万人)

  • 失業率:5.2%(予想:5.2%)

 

失業率は予想と変わらず、非農業部門雇用者数が予想を大きく下回っています。よって、失業者がいるなか、労働に復帰できた人が予想の1/3だけだったことを意味します。

そのため、9月の米国の見通しは暗いと言えます。

また、予想よりも悪い結果に「テーパリングが先送りにされる!だから株価にとってプラス材料だ!」と喜んだ投資家もいるかと思いますが、それは間違いです。

市場は既にテーパリングを織り込んでいる状況だと考えられるため、そんななか米国の見通しが暗いとなれば、市場にとってはマイナス材料となりえます。また、足元ではインフレ率の増加が目立ち始めていることから、テーパリングを決定するFRBとしては、「雇用の回復を取るか、インフレの抑制を取るか」の板挟み状態にあると言えます。

クルーズ株にとっても非常に苦しい相場と言えます。しかし、長期を視野に入れた投資家であるなら、今から少しずつ買い続けることで将来的に大きな恩恵を得ることができる可能性は大きいです。

今すぐに化ける銘柄ではありませんが、長期では明るい銘柄と言えます。

押し目買い推奨のクルーズ銘柄2選

では、押し目買いとして筆者が個人的に注目しているクルーズ銘柄を2つ紹介します。

  1. カーニバル・クルーズ(CCL)
  2. ノルウェージャン・クルーズ(NCLH)

なぜこの2銘柄を選んだのか、理由を含めて解説していきます。

ちなみに、ノルウェージャン・クルーズ(NCLH)に関しては、実際に筆者が押し目買いで保有しています。格安である今のうちに少額で積み立てています。金の卵になってくれればうれしいです。

カーニバル・クルーズ(CCL)

カーニバルクルーズ(CCL)の株価チャートです。

 

2022年1月23日時点の株価

株価:19.99ドル

EPS:-8.44

暴落前株価:50ドル付近

 

カーニバル・クルーズは、規模の点でクルーズ会社の中で最も大きな会社です。そのため、コロナによって最も打撃を受けています。よって、早い段階から資金調達や経費削減に奔走しています。

まず、2020年4月に債券・株式発行により62億ドルの調達を行なっています。そして社員削減または休業、労働時間短縮、給与削減といった大規模な経費削減を行なっています。

これにより、少なくとも2021年までは無収入でも経営できるとの発表がされています。そのため、経営難に陥る可能性は今のところ低いです。

次に、2021年になって営業再開の見通しが立つようになりました。9月と10月のクルーズ計画が発表され、ワクチン接種済みであれば乗客可能というものでした。

しかしながら、デルタ種の感染拡大が世界的に広がったため、短期での見通しが厳しいように思えます。また、9月になるとワクチン効果を軽減させるミュー種も登場したため、さらに厳しい状況が続くと思われます。

ですが、乗りきることができれば、観光銘柄は投資家からの評価が改められ、当然クルーズ銘柄の代表ともいえるカーニバル・クルーズも大きく株価を伸ばすでしょう。

ノルウェージャン・クルーズ(NCLH)

ノルウェージャン・クルーズの株価チャートです。

 

執筆当時の株価

株価:20.06ドル

EPS:-10.9

暴落前株価:55ドル付近

 

ノルウェージャン・クルーズは、規模の点ではカーニバルより劣る会社であり、業界では3番手の規模となります。カーニバルと同様、2020年から苦しい情勢となっており、クルーズ船が出せない状況であるため社債の発行などで凌いでいます。

ノルウェージャンのブランドのひとつである”オセアニア・クルーズ・ブランド”では、2021年3月に18年間の歴史の中で最多の予約件数が入ったとの公表がありました。このことから、クルーズ自体はまだまだ需要があることが分かります。航空株ではZoom、TeamsといったWebミーティングの流行によりビジネス需要が減る懸念があるなか、クルーズは独自の需要があることが証明されたとも言えます。

2022年はオミクロン株の影響で2022年夏の売り上げが危ぶまれていますが、逆に言えば今が押し目買いのチャンスとなっています。

また、ノルウェージャンは比較的規模が小さいため、投資対象としてのクルーズ会社の中で最もバランスシートが良い会社です。

そのため、投資対象として検討してみてはいかがでしょうか?

回復には時間がかかるかも?

ここまでご紹介した2つのクルーズ銘柄ですが、今すぐに大きな上昇は期待できません。

何度もお伝えした通り、コロナにより運営が危うい状況です。そのため、営業ができず、収益が得られないままとなっています。予約が入ったとしても、コロナ情勢によってはまたふりだしに戻る可能性があります。

とはいえ、予約が入るということは需要があることには変わりありません。

しかし、肝心の「パンデミックが落ち着く時期」が不明確なため、今すぐ投資対象として見るわけにはいきません。

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