株式投資

仮想通貨の恩恵を受けるCoinbase(コインベース)の見通しは?

2021年8月28日

コインベースの今後の見通しを解説します。

Coinbase(コインベース)の事業をおさらい

2021年8月19日に日本に上陸を果たしたCoinbase(コインベース)は、既に多くの人が知っている通り、仮想通貨の取引所及び販売所として事業展開しています

アメリカに本社を置き、既に100カ国以上に事業展開しています。そんなコインベースは仮想通貨の売買手数料を主な収入源としています。

また、扱っている仮想通貨は有名どころのビットコインやイーサリアム、ドージコインの他、様々なコインとなります。

8月10日に発表された第2四半期決算に注目すると、純利益は16億ドルと予想の3倍近く膨れ上がり、取引高及び利用ユーザー数はともに大きく増加しました

第3四半期は第2四半期と比べて、やや軟調な動向となるとの公表がされたものの、それでも直近の見通しは非常に明るいです。

仮想通貨が活発になれば利益が増える!

コインベースの大きなポイントは、仮想通貨に依存しているところです。

取引手数料を取っても1.99%と変動制であることから、仮想通貨そのものの価格が高くなれば、その分手数料も高くなることを意味します。

また、仮想通貨市場そのものが上昇すれば、「私も!私も!」と仮想通貨を買おうとするユーザーが増えます。先ほどと矛盾するかもしれませんが、極論として”ユーザーが得しようが損しようが取引さえあれば儲かる事業”です。そのため、市場が過熱することが重要となっていきます。

ただし、中国を中心として仮想通貨は”規制強化”の壁が立ちはだかることが多々あります。そのため、取引そのものができなくなる可能性があります。そうなるといくら”取引さえあれば儲かる”取引所でも非常に苦しい状況に置かれます。

よって、仮想通貨そのものほどではありませんが、ややリスキーな投資対象であることには変わりません。

Coinbase(コインベース)の株価をおさらい

次に、4月14日に上場して以来の株価について触れていきます。

コインベースの株価チャートです。

381ドルで上場したコインベースは上場初日に428ドルの最高値を更新して以降、5月19日の最安値207ドルまで下がったのち、ずっと横ばいが続いています。

面白いことにビットコインとの値動きを比較したところ、かなり相関性が高いことが見受けられます。

コインベースとビットコインの株価相関を表したチャートです。

仮想通貨の取引所である以上、当たり前ではあるのかもしれません。しかしながら、かなりの期待が集まっていたはずのコインベースが初日に大きく値を下げたことは市場参加者たちを失望させました。

「理想買い、現実売り」

上場してすぐに急落して要因としては「理想買い、現実売り」が挙げられます。

上場するまでの間に、

 

  • 仮想通貨市場の過熱感

  • テスラやスクエアといった企業の仮想通貨の取り扱い

  • ビットコインとイーサリアムのETF登場(マイナス要因でもある)

 

といったグッドニュースがたくさん出ていたのに対し、いざ上場したら材料出尽くしで現実売りが入ったということです。

なぜ株価がいまいち伸び悩んでいるのか?

しかしながら、その後も株価がいまいち伸び悩んでいるのは何故なのでしょうか?

決算はすこぶるよかったですし。ガイダンスの内容を参考にするなら次の決算もそこまで悪くありません。

また、急落した仮想通貨も8月に入ってからじわじわと回復してきています。

そのため、コインベースが上場以来の最高値を更新してもおかしくありません。

仮想通貨ETFの台頭

株価がいまいちパッとしない理由として、仮想通貨ETFの動向があります。

「上場する!上場する!」と話題になってもいまだに上場できていない仮想通貨ETFですが、もし登場すれば多くの人が手軽に仮想通貨を買えるようになります

というのも、コインベースを筆頭とする取引所/販売所では、株式取引で使っている証券口座とは別に口座を設けなければなりません。そのため、口座管理が非常に手間です。

また、取引所/販売所の場合、どちらも売買時に手数料が都度かかります。ETFでも経費率がかかりますが、それでもただ保有しているだけでよいのはありがたいです。

よって、多くの株式投資家からすれば、わざわざ取引所を利用するよりもETFですましてしまったほうがメリットが大きいと言えます。

ゴールドが良い例

実際、ゴールドが良い例といえます。

現在の数多くの投資家たちが推奨するポートフォリオに注目すると、だいたい5~10%ほどゴールドを保有することが勧められています。しかしながら、それらは純金ではなく、ゴールドETFを推奨しています。

なぜなら、非常に手軽に取引でき、かつ経費率が安ければ0.2%程度で済むからです。筆者もあえて現物の純金に投資するメリットがなく、ゴールドETFで済ませています。

また、実店舗に目を向けても”○○貴金属(あえて伏せます)”といった現物取引では大手と言える会社でさえ、テナントを大きく構えていません。むしろ、ETFの純資産額と比べれば小規模と言えます。

下衆な言い方となりますが、正直なところ純金取引を行なっている会社の多くは”所有欲を満たそうとする富裕層”を相手にしているように思えます。あるいは退職金を持て余した老人か、それを蓄えようとする中流家庭。

このような末路にはならないまでも、ETF登場により規模が小さくなる可能性はあり得ます。

「結論」Coinbase(コインベース)の見通しは暗い

これらを踏まえて、コインベースの長期的な見通しは暗いように思えます。

もちろん、だからといってコインベースに未来はないと言っているわけではありません。しかしながら、将来的には某貴金属会社のようになってしまうかもしれません。

また、仮想通貨ETFの怖いところは利用者が多ければ多いほど経費率が下がっていくところです。そのため、ETFに資金が流れれば流れるほどよりコインベースにとっては逆風にさらされることになります。

-株式投資
-,