株式投資

脚光を浴びる5G銘柄の今後の見通しを考察してみた

2021年9月9日

5G銘柄の今後の見通しを解説します。

今回は、最近はなりを潜めた5Gブームへの投資について解説していきます。

ようやく5Gエリアや、5Gに対応したスマホが登場したばかりである一方、投資対象として有望な5G関連企業は多種多様にあります。

また、5Gでとどまらず6G通信も2030年を目途に各国で計画されています。

5G銘柄と言っても多種多様

5G銘柄と言っても多種多様な企業が該当します。

例えば、

 

  • 通信を提供するキャリア会社

  • 端末を開発・製造するメーカー

  • 端末などに使用する半導体を提供する会社

 

が挙げられます。

そのため、同じ5Gに関連する銘柄であっても値動きは連動せず、バラバラな動きをします。よって、5Gに関係するだけでなく、セクターごとの業績や話題性を日々のニュースや四半期決算から読み解く必要があります。また、5G銘柄と言っても、事業内容がどれほど5Gと密接しているのか、恩恵を享受できるのかといったことも知っておく必要があります。

そうした情報の精査が難しいようであれば、ネット上で既に有望視されている大手キャリアやスマホメーカーなどに長期で積立投資することで、ジワジワと恩恵を享受していきましょう。

REITで恩恵を受けることも可能

また、5Gならではの側面として、成長性のあるREITに投資できる点です。

5Gが普及すれば米国のアメリカン・タワーのように、通信キャリアではなく電波塔に重点を置く企業にも冥利があります。

そこそこの配当(アメリカン・タワーであれば2%)に加えて、今後も電波塔による利益があることを考慮すれば、非常に魅力的な投資対象です。

また、それらを一括で投資するREITにも冥利があります。

需要は増えていくため見通しは明るい

長期的な見通しとして、5Gの需要自体はどんどん増していくため、見通しは明るいです。

また、6Gといった未来があることからまだまだ成長性のある事業でもあります。

よって、長期的に積立投資していき、市場の暴落が起きようとも悲観的な投げ売りはしないほうがよいでしょう。

特にここ最近の例では、”5G”、”クリーンエネルギー”、”EV”、”宇宙”といったテーマ株が急上昇してはすぐに暴落、横ばいの展開が続いています。そのため、短期的に含み損となっても過度に心配しなくてもよいです。

とはいえ、投機はほどほどに...。

ライバルは「宇宙」?

将来明るい”5G”ですが、密かなライバルの”宇宙事業”が過熱し始めています。

なぜ、”宇宙事業”がライバルとなるかというと、それは宇宙事業において最も注目されているスペースXの”スターリンク計画”が関係しています。

“スターリンク計画”を簡単に表現すると、「宇宙に人工衛星を飛ばして、その人工衛星から通信キャリアを提供してもらう」というものです。実際、米国の一部ではサービス展開を始めています。

この事業の強みは、”地球上のどこでもインターネットが利用できる”点です。そのため、事業として重要視されない田舎や僻地に光ファイバーを敷設しなくても利用できることになります。

よって、5G事業にとって宇宙事業は親戚でありつつもライバル事業にもなります。

宇宙関連銘柄

「2021年最新」今最も注目しておきたい宇宙関連銘柄・3選

 

注目しておきたい主要銘柄2選

アップル(AAPL)

アップル(AAPL)のチャートです。

アップルのチャート

執筆時の株価
  • 株価:154.3ドル

  • PER:30.21

  • 配当利回り:0.57%

 

GAFAの一角にして、日本人でも知らぬ人がいない超大手IT企業です。

詳しい説明は不要かと思いますが、主力製品であるiPhoneはもちろん、付随のウェアラブル端末やアップルウォッチ、iPadといった製品までもが5Gの恩恵を受けることとなります。

また、iTunesやAppleTVといったアプリサービスを展開しているため、高速通信が可能となる5Gにより、ユーザーの利便性が大きく上がります。ただし、ほかの企業も同じようなサービスと提供しているため、競争はより激化していくでしょう。そのため、こうしたサブスクによる利益がどのように変動しているか、四半期決算に注目する必要があります。

最後に、第2四半期の決算を簡単にまとめると、

EPS:1.3

売上高:81.43Bドル

5Gうんぬんを抜きにしても、グロース株として非常に魅力的な銘柄です。長期保有としてポートフォリオに加えてみてはいかがでしょうか。

また、10月10日現在はハイテク株が軒並み下落している相場となっています。そのため、押し目買いのチャンスと捉えることができます。

Tモバイル(TMUS)

T-mobileの株価チャートです。

Tモバイルの株価チャート

執筆時の株価
  • 株価:134.4ドル

  • PER:43.18

  • 配当利回り:0%

 

Tモバイルは、米国加入者第3位の通信キャリア会社です。様々な通信サービスを顧客に提供する一方で、スマートフォンやノートPCに加え、タブレット向けアクセサリーを販売しています。

同業のスプリントを2020年4月に買収しており、割り当てられている周波数帯を大きく獲得し、特定地域での周波数管理を独占できる見通しとなっています。

そのため、キャリア業界での競争において優位に立てるとされています。通信キャリア銘柄の中では無配当であるため、競合企業のAT&T、ベライゾンといった高配当銘柄に比べて投資メリットは薄く感じるかもしれません。しかし、PERは43と非常に高く、これからも成長に期待されています。

ただし、スプリントの買収に加え、インフラ整備への100億ドル以上を投資しています。そのため、バランスシートにはやや不安が残ります。そのため、この銘柄に投資をするなら決算をチェックする癖をつけておいたほうがよいです。

最後に、第2四半期の決算を簡単にまとめると、

 

EPS:3.11

売上高:19.95Bドル

 

となっています。

クアルコム(QCOM)

クアルコムの株価チャートです。

クアルコムの株価チャート

執筆時の株価
  • 株価:142.33ドル

  • PER:17.78

  • 配当利回り:1.89%

 

半導体メーカーであるクアルコムは、元々携帯電話メーカーであったこともあり、スマートフォン向けの半導体技術に優れています。その他にもEVやオーディオ機器、ドローンといった幅広い製品に半導体を提供しています。

5Gの普及により、スマートフォンはもちろん、その他の通信機器にもより精度を求めた半導体が必要となってきます。この需要を満たすことができる有望な半導体メーカーがクアルコムです。

PERを見ると格安の銘柄に思えますが、米連邦取引委員会(FTC)との反トラスト法における裁判にて、”電話機器メーカーに過剰なライセンス料を請求した”と訴えられました。2020年8月に高等裁判所でクアルコム側の勝訴となりましたが、まだまだもつれる可能性もあります。

よって、これまで獲得してきたライセンス料が無くなる可能性も充分あり得ます。

また、エヌビディアのARM買収が決まれば、ライバルがより強くなることになります。

そのため、”ただ持っておけば何倍にも株価が上がる銘柄”とは言いにくいです。

最後に、第2四半期の決算を簡単にまとめると、

 

EPS:1.92

売上高:8.0Bドル

 

となっています。

分散投資ならETF・“VPN”という手もある

多種多様な5G銘柄に一括で分散投資したいのであれば、ETFを活用することも手です。

特に電波塔やデジタルインフラのREITに一括で分散投資できるETF・”VPN”がおすすめです。

VPNはGlobal Xが運営しており、

 

  • 純資産:6,200万ドル

  • 基準価額:18.34ドル

  • 発行済口数:341万数

  • 経費率 0.50%

 

となっています。

主要な構成銘柄は、

 

  1. アメリカンタワー(AMT) 12.74%

  2. エクイニクス(EQIX)12.70%

  3. クラウンキャッスル(CCI) 11.61%

 

となっています。

アメリカン・タワーとクラウン・キャッスルは電波塔、光ファイバー網に投資をしていて、エクイニクスはデータセンターに投資している企業です。投資候補として検討してみてはいかがでしょうか。

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