株式投資

電池需要で輝くリチウムに投資する方法【ETF、ALB】

2021年10月16日

リチウムへ投資する方法をご紹介します。

今回は、近年投資先として注目を受けているリチウムへの投資方法について解説していきます。

脱炭素、電池需要といった好材料から見通しが明るいです。実際、テスラ・ショックによってクリーンエネルギー、EV銘柄が軒並み値上がりした2020年では、関連セクターとしてリチウム生産企業の株価も合わせて急上昇しています。

リチウム需要の今後

近年、投資先として非常に注目されるようになったリチウムは、蓄電池の材料として主に利用される貴金属になります。そのため、今後の脱炭素化の流れからより需要が増すことでしょう。

需要が増せば増すほどリチウム自体の価格が上昇するため、投資先としてはありがたいことです。

ここ最近の動きを見ると、リチウムの価格はうなぎ登りで上がっていっています。

元々、2018年に中国の急激な需要増を受けて、リチウムは1トン当たり18万中国人民元(約300万円)と暴騰しました。その後、需要が落ち着いたことがあり、2020年までゆったりと値を下げていき、直近の最安値は4万中国人民元(約70万円)となりました。

しかし、また需要が増えたことにより、破竹の快進撃でリチウムは最高値を更新していってます。

同じ需要のコバルトと比べると?

では、リチウムと同じ立ち位置にいるコバルトと比べるとどうでしょうか?

コバルトは政治的に不安定なコンゴ民主共和国に埋蔵量が偏っていて、児童労働といった問題などが発覚したため、コバルトが不要な代替えバッテリーが開発されています。対するリチウムは現時点では代替不可能な材料とされ、リチウムを使用しないバッテリーの開発が勧められていますが、未だ実用化されていません。

そのため、当分の間はリチウムは貴重な金属として重宝されるでしょう。

また、リチウムの埋蔵量は現在の需要であれば200年近く持つとされています。現在、供給が足りていない原因は精製・生産が需要に追いついていないだけです。主な原因としては、中国の電力不足が挙げられます。リチウムは法規制の関係で先進国ではあまり生産されず、中国が主要国として生産しています。よって、電力不足によって膨れ上がった需要をさばけない状況となっています。

そのため、短期的にはさらなるリチウムの価格増が期待できます。

リチウムに投資する方法は2つ

では、実際にリチウムへ投資する方法をご紹介します。

主な投資方法としては、以下の2つが挙げられます。

  • リチウムそのものへの投資

  • リチウム関連会社への投資

それぞれ詳しく解説していきます。

リチウムそのものに投資

リチウムそのものへ投資する方法では、ゴールドやシルバーといった貴金属への投資方法と同様に、CFDやETFへの投資があります。

また、先ほどリチウムが急騰していることをお伝えしましたが、短期的には同様の急騰は起こりにくいと思われます。そのため、リチウム自体へ投資してもすぐさま利が乗るとは言いにくいです。

しかし、CFDを活用し、2~3倍のレバレッジをかければ短期的に大きな利益を得られます。ただし、2018年にも起きたように需要と供給が釣り合えばリチウムの価格は大きく下落する恐れがあります。そのため、5倍、10倍といったレバレッジで投機しないようにご注意ください。

リチウム生産会社に投資

次に、リチウム生産会社へ投資する方法をお伝えします。

こちらは生産会社の株式や、複数の生産会社へ一括で分散投資できるETFに投資するだけです。

生産会社に投資した場合、リチウムの値動きとは別に生産コストは一定であるため、リチウムの価格が上がれば上がるほど生産会社の利益は大きくなっていきます。これをオペレーションレバレッジと言い、金鉱株などにも見られる特徴です。

よって、リチウムそのものへの投資に比べて、値動きが大きくなる傾向があります。

また、長期的にも見通しが明るいため、生産会社は増産のための投資がしやすく、利益が乗りやすいです。よって、長期的に投資しておいてもよいセクターと言えます。

おすすめのリチウム投資先

次に、筆者がおすすめするリチウムの投資先をご紹介します。

紹介する銘柄は以下の2つです。

  • 生産会社最大手の会社・ALB

  • 分散投資できるETF・LIT

どちらもおすすめの銘柄です。投資先として検討してもらえれば幸いです。

1.リチウム生産最大手に投資するなら$ALB

アルベマールの株価チャートです。

アルベマール($ALB)の株価チャート

  • 執筆時の株価    :228ドル

  • 配当利回り     :1.56ドル(0.67%)

  • 第2四半期決算EPS  :0.89(予想0.83)

  • 第2四半期決算売上高 :7.73億ドル(予想7.86億ドル)

 

リチウム生産の最大手であるアルベマール・ペーパー・マニュファクチャリング・カンパニーは、アメリカを拠点に置く化学製造会社です。リチウム、臭素、触媒の3つの産業を事業としていて、全体事業の4割がリチウム産業となります。

リチウム生産の規模は最大手でいあり、生産地域はアメリカのネバダ州塩湖を筆頭にチリのアタカマ塩湖、オーストラリアのグリーンパッシズ鉱山と地域に依存しない体勢ができています。

リチウムの需要拡大を受けて、2021年にアルベマールは5億ドルを掛けてオーストラリア、チリでの生産体制を強化しました。2020年までリチウムの価格は低迷してましたが、急激な需要拡大に対応するためです。この需要は今後も続いていくことから、増産に踏み切ったアルベマールが将来有望です。

11月3日には第3四半期決算の発表があるため、結果次第で買いに入っても遅くはないかもしれません。

2.関連会社に分散投資するなら$LIT

グローバルX リチウム&バッテリーテック ETFの株価チャートです。

グローバルX リチウム&バッテリーテック ETFの株価チャート

 

  • 執筆時の株価:85ドル

  • 経費率:0.75%

  • 配当利回り:0.01%

 

ご紹介したアルベマール以外にもまとめて分散投資したいかたには、グローバルXが運営している「グローバルX リチウム&バッテリーテック ETF($LIT)」へ投資することをおすすめします。

LITの運営方針は「採掘、精製、バッテリー製造に至るリチウムのサイクル全体への投資」ということで、幅広い関連業種に投資できます。執筆時点の2021年10月16日では37銘柄で構成されており、先ほどご紹介したアルベマールが最も高い比率で組み入れられています。

グローバルX リチウム&バッテリーテック ETFの詳細データです。

グローバルX リチウム&バッテリーテック ETFの詳細データ

地域分散は生産主要国が中国であるため、中国企業が50%以上の比率を占めています。

経費率が0.75%に対し配当利回りが0.01%となっているため、運用コストは高めです。また、組入銘柄は半年周期で入れ替わりがあるため、アクティブファンドであることを忘れないように...。

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