株式投資

【LNG】天然ガスへ投資する方法を解説します

2021年11月21日

今回は、コモディティ投資の中でも話題沸騰中の天然ガスへの投資を解説していきます。

“天然ガス”といっても、実際にはどういう目的で消費されている資源なのか分かっていない方も多いでしょう。

筆者も投資対象としてみるまでよくわかっておらず、工学科出身だったから辛うじてかじった程度の知識を持っている程度でした。

そんな皆様のために、天然ガスの簡単な知識と、投資対象としての今後の見通しと投資すべき銘柄を解説していきます。

天然ガスの今後の見通し

天然ガスの主な利用としては、発電&都市ガス利用が挙げられます。

日本を例に挙げると、都市ガスでは9割以上が天然ガスとなっています。また、発電では35%が天然ガスに依存しています。

とはいえ、温暖化対策の影響で徐々に天然ガス&石炭の依存率は減少しつつあります。(といっても、2016年から2020年の間に3%程度しか変わっていませんが)

ただし、石炭と比べて天然ガスの二酸化炭素排出量は1/2以下と言われているため、今後は石炭と比べた時の天然ガスの比率は大きくなっていくでしょう。

ここで最近よく聞く”LNG”についても解説します。

“LNG”は液化天然ガス(Liquid Natural Gas)のことで、人為的に天然ガスを-162℃まで冷却させた液体です。液体にさせる理由は、気体に比べて液体のほうが体積が小さくて済み、運搬に有利だからです。(体積が1/600まで小さくなるそうです)

では、天然ガスの今後の見通しについて触れていきます。

天然ガスの需要はとうぶん続く

2021年11月現在、中国&欧州で電力不足が続いています。その理由は天然ガスの供給不足が原因です。

中国では地球温暖化対策として発電資源を石炭→天然ガスへのシフトを始めました。その影響で天然ガスの需要が大幅に膨れ上がっています。結果、中国での電力不足が発生し、芋づる式に天然ガスをメインに発電していた欧州にも供給不足が起きています。

よって、短期的にはまだまだ需要拡大の余地はあります。

長期的な見通しとしては、ここ最近の話題である「脱炭素化」、「クリーンエネルギー」の波で徐々に天然ガスの需要が減っていく可能性があります。しかしながら、お伝えした通り石炭と比べれば”環境に良い”とされている上、各国が依存している現状を踏まえると数年の間は特段気にするようなことではなさそうです。

天然ガス先物ETFはNG

天然ガスへ投資する場合、現物(または先物)か、生産会社かの2通りの投資先があります。

このうち最もお手軽な投資方法として、天然ガス先物ETFへ投資することが挙げられます。ETFを買うだけで価格変動の差額分を利益にできるため、シンプルな投資法だからです。

他のコモディティにも共通していて、特にゴールドETFはメジャーな投資方法と言えます。

しかしながら、天然ガス先物ETFに関しては安易に推奨できません。

その理由は、天然ガスの価格の低さが起因しています。

天然ガス先物ETFであるWisdomTree 天然ガス上場投信(1689)を見てみましょう。なんとこちらのETFは現在価格3円で取引されています。現在は天然ガスが高騰しているから3円ですが、少し前までは1~2円を右往左往しているETFでした。

よって、1円の損失でも大きな損失に繋がるため、こちらのETFは推奨いたしません。

代わりに天然ガス関連銘柄と、分散投資できる天然ガス関連ETFを解説します。

天然ガスへ投資するならオススメ銘柄2選

天然ガスへ投資する場合、個別株なら以下の2銘柄を推奨いたします。

 

  • アンテロリソーシズ

  • ダイヤモンドバックエナジー

 

なぜこの2銘柄なのか、理由を添えて解説していきます。

アンテロリソーシズ(AR)

アンテロリソーシズ(AR)の株価チャートです。

アンテロリソーシズ(AR)の株価チャート

執筆時の株価:19.2ドル

配当利回り:0.0%

EPS:1.22

 

天然ガスの採掘・生産をメインに事業を行なうエネルギー企業になります。アパラチア地方にて採掘し、天然ガスのみならず石油の生産を行なっている。

独立系石油会社であるため、企業規模は石油メジャーと比べて小規模となります。しかし、石油メジャーと比べて天然ガス事業へ注力しているため、天然ガス価格の上昇で恩恵を享受しやすい企業です。

ただし、20ドル以下の小型株であるため、日々の値動きはやや激しい傾向にあります。

ダイヤモンドバックエナジー(FANG)

ダイヤモンドバックエナジー(FANG)の株価チャートです。

ダイヤモンドバックエナジー(FANG)の株価チャート

執筆時の株価:109.9ドル

配当利回り:1.82%

EPS:8.62

 

テキサス州西部パーミアン盆地にて、天然ガスの採掘・生産を行なうエネルギー企業になります。

11月1日に発表された四半期決算では、アナリスト予想より好調な決算を発表しており、天然ガス価格の上昇の恩恵を受けていることが分かる銘柄です。

アンテロリソーシズと事業内容は同じですが、こちらのほうが株価が100ドルほどとなっているため、日々の値動きはやや軟調な傾向にあります。とはいえ、天然ガス等の価格に依存しているため、先物価格はチェックする必要があります。

筆者の場合、ダイヤモンドバックエナジーを7割、アンテロリソーシズを3割の比率で現在保有しています。幸い、ダイヤモンドバックエナジーはプラスの含み益となっていますが

、アンテロリソーシズは残念ながらマイナス3%ほどの含み損となっています。

個別銘柄が嫌ならファーストトラスト天然ガスETF(FCG)

「ただでさえ値動きが激しいエネルギー銘柄を個別保有するのは嫌だ」と思ったアナタには、天然ガス関連企業に一括で分散投資できるETF・FCGをお勧めします。

FCGのステータスをまとめると、

ファーストトラスト天然ガスETF(FCG)の株価チャートです。

ファーストトラスト天然ガスETF(FCG)の株価チャート

執筆時の株価:18.6ドル

配当利回り:1.48%

経費率:0.60%

運営会社:ファースト・トラスト社

 

となります。

構成上位5銘柄は以下の5銘柄であり、上位5銘柄だけで20%を占めています。

名称

数量

ファンドの割合%

EOG:US

EOGリソーシズ

247.52 千

23.47 百万

4.61

DVN:US

デボンエナジー

548.44 千

23.35 百万

4.59

COP:US

コノコフィリップス

308.50 千

22.32 百万

4.39

FANG:US

ダイヤモンドバックエナジー

196.96 千

21.66 百万

4.26

APA:US

APA コープ

727.96 千

21.44 百万

4.21

第4位には先ほどご紹介したダイヤモンドバックエナジーが組み入れられており、その他銘柄も有名な天然ガス銘柄となっています。

天然ガスの恩恵を享受でき、分散投資が可能なETFとなっています。投資候補としてぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

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