株式投資

『驚異の暴落』ヴァージン・ギャラクティックが40%以上の急落をしたワケ

2021年7月23日

宇宙飛行に成功したヴァージン・ギャラクティック

2021年7月11日(日)に宇宙関連銘柄として知られるヴァージン・ギャラクティックが、遂に宇宙旅行の先駆けとなるテスト飛行が行なわれました。

乗組員には著名実業家であり創業者であるリチャード・ブランソン氏が搭乗していました。そのため、テスト飛行前からメディアに大々的に取り上げられ、非常に注目度が高かったです。投資家たちも”宇宙関連銘柄の行く末が懸かっている”と言っても過言ではないこのテスト飛行を見守ったことでしょう。

そして、無事飛行に成功し、リチャード・ブランソン氏率いる宇宙船「ユニティ」は宇宙からの帰還しました。

市場前に10%以上の暴騰!

翌日の7月12日(月)のプレマーケットでは10%以上の急騰をしていました。市場が始まれば更なる株価の暴騰が期待されていました。

市場前に注文を入れていた投資家も多かったことでしょう。

筆者も血相を変えて指値注文をしていました(笑)

また、呼応するかのように他の宇宙関連銘柄(例えば$ASTR)も市場前に買いが入っていました。

しかし、50ドルの株価が30ドル近くに暴落

しかしながら、市場が始まるとすぐさま大きな売りが入り、チャートはまるで宇宙から地球へ着陸するかのように値を下げました。

結局、12日の市場ではマイナス20%と驚異の下げ幅($50→$40)となりました。

その後も連日の売りが入り続け、執筆日(7月22日)に$33(マイナス40%ほど)と50日移動平均線に見事な着陸を果たしています。

なぜこのような大きな売りが入ったのでしょうか?

暴落の原因は自社株売り

大きく値を下げた理由は「最大5億ドルの自社株売り」が報道されたからです。

引用:Twitter

12日の市場が開くタイミングでこの報道がされ、同社が5億ドルの新普通株の売却を申請し、新たな資金を調達することを計画していることが判明しました。この資金調達は同社の時価総額のうち5%近くを消失させることと同義と言えます。

この最悪なニュースによって多くの投資家たちは猛烈な売りを浴びせられ、”売りが売りを呼ぶ最悪の事態”となりました。また、市場前に買い注文をしていた投資家たちによっては顔に冷水を浴びせられたことでしょう。

筆者もそのうちのひとりで、最悪なことに注文が成立してしまいました。市場前であったことから10株ほどしか注文していませんでしたが、いきなり10%の損失が出ていたため、慌てふためいたことを覚えています(笑)

しばらくは株価は低迷するかも?

“宇宙関連銘柄”と特殊な銘柄であるため、ヴァージン・ギャラクティックの今後の株価は正直分かりません。

ただ、あえて予想するのならしばらくの間嫌気され株価は低迷し続けると思います。その”しばらく”がいつまでになるのかは正直分かりません。「テーパリングが始まる頃までに値を戻すのは難しそう」と予想していますが、ちょうど昨日の21日にジェフ・ベゾフ氏率いるBlueOriginの初の有人飛行が成功しています。そのニュースに好感した投資家たちが買いに入ったようで、ヴァージン・ギャラクティックの株価は4%上昇しました。

この流れが続くようであれば、ヴァージン・ギャラクティックの株価は回復することでしょう。

ただし、筆者のような”初心者に毛が生えた程度のレベル”は手を出さないほうがよさそうです。

卑劣なやり口に残念...。

個人的な感想となりますが、今回の自社株売りのニュースは非常に悲しいです。

“損失を出したから”ではなく、”宇宙旅行”という未知のテーマで大きな一歩となる有人飛行であり、これまで売上がない決算を出し続けたヴァージン・ギャラクティックにとっては非常に重要なニュースであったはずです。

にもかかわらず、このような形で自社株売りを仕掛け、多くの投資家たちを幻滅させるやり口には残念としか言わざるを得ません。

ヴァージン・ギャラクティックだけが嫌気されるのであれば別にやせ我慢して素知らぬフリをしていればよいです。

しかし、今回のニュースが原因で宇宙関連銘柄全体で失望売りが入ってしまいました。

結果、アストラ($ASTR)のような企業も株価が下がる要因となってしまいました。

“宇宙”というテーマに投資できるワクワク感が喪失してしまいました。

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