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『2021年7月最新』今、米国銀行株に注目すべき3つの理由

2021年7月22日

悩める人
悩める人

米国銀行セクターの決算が発表されたけど、株価が下落し続けている。けど、前に発表されたストレスチェックでは非常に良い評価だったんだけど...。

それに一部の銘柄で配当金の増配が発表されたから、良いニュースばかりだと思うし...。

今回は、このような悩みを解決していきます。

米国の銀行セクターをおさらい

まず、米国の銀行セクターに注目するうえで、メガバンク6銘柄を知りましょう。

6銘柄を列挙すると、

 

  • JPモルガンチェース($JPM)

  • ゴールドマンサックス($GS)

  • ウェルズファーゴ($WFC)

  • シティグループ($C)

  • バンク・オブ・アメリカ($BAC)

  • モルガンスタンレー($MS)

 

となります。

特にJPモルガンチェースは時価総額が4500億ドル、バンク・オブ・アメリカは時価総額が3000億ドルを超えていてます。他メガバンクは1000億ドル程度であることを踏まえると、頭一つ抜けた存在と言えます。

では、これら銀行がどのようにして収益を挙げているのか、ご存知でしょうか?

米国に限らずどの国の銀行でも同じで、以下の2つが収益のメインとなります。

  • 商業銀行

  • 投資銀行

それぞれ解説していきます。

商業銀行としての事業

前者の商業銀行は、消費者や会社からお金を預かったり、貸したりする事業です。一般的に”銀行”と聞いたときのイメージと合致するかと思います。

お金の貸し借りでどのように利益を得ているのかと言うと、利子が関係しています。

消費者が銀行にお金を預けていると0.01%程度の利子がついていませんか?対して、消費者や会社が銀行からお金を借りようとすると、安くても1%程度の利子がつきますよね。

この仕組みを活用して、銀行は利益を得ています。

 

つまり、消費者から安い利子でお金を預かり、そのお金を高い利子で貸し出すことで金利の差額分を利益として得ているのです。

そのため、銀行はマイカーローンや住宅ローンといった個人向けローンや、会社の設備投資向けの融資といった事業を積極的に行なうのです。

 

ただし、こうした事業は景気に左右されやすい側面があります。お金を貸し出しても不景気で返済できないのであれば利益どころか赤字になります。そのため、不景気時には銀行は融資に消極的になります。

逆の見方をすれば、景気が良ければ銀行は積極的にお金を貸し出すとも言えます。

投資銀行としての事業

後者の投資銀行では、株式や債券の売買によって利益を得ています。また、顧客である企業に合併・買収や資金調達に関するアドバイスをし、その手数料でも利益を得ています。

また、未上場の企業が上場する際に、銀行がサポートすることで利益を得たりします。

銀行マンが主人公のドラマや映画(特に洋モノ)で「買収が~」、「資金調達が~」といった内容の作品があるかと思いますが、その場合、こちらの投資銀行としての事業を描いた作品となります。

なぜ今、米国の銀行株に注目すべきなのか?

ここまで銀行株について説明しましたが、なぜ米国銀行株に今注目する必要があるのか?

3つの理由があります。

 

  • ストレステストの結果

  • 増配の発表

  • 長短金利差の行方

 

これら3つの理由を説明していきます。

1.ストレステスト

まず、FRBが毎年実施している大手銀行に対するストレステストに注目してみましょう。

ストレステストとは、急激な景気低迷時に金融機関が経営に耐えられるかどうかの調査であり、”健全性審査”とも呼ばれます。リーマン・ショックをきっかけに導入され、金融機関の経営破綻による金融危機を防止する制度になります。

このストレステストの結果が、2021年6月下旬に公表されました。

結果、調査対象23社全てがテストに合格し、パンデミックの初期に導入した自社株買いと配当金支払いの制限を解除するとの内容でした。

そのため、メガバンクたちが増配するきっかけができたと言えます。

また、ウェルズファーゴに関しては、2018年に不祥事を起こし、FRBからペナルティとして総量規制を受けていました。よって、資産の貸し出しに制限をつけられていました。

しかし、今回のストレステストの結果を受けて、ウェルズファーゴの総量規制が解除されるかもしれないと言われています。

2.増配の発表

先ほどお伝えしたストレステストの結果を受けて、JPモルガン&モルガンスタンレーが配当金の増配を発表しました。また、モルガンスタンレーに関しては120億ドル規模の自社株買いを発表しました。

この嬉しいサプライズは、FRBがパンデミック初期に導入した制限が解除されたことがきっかけであるため、他のメガバンクたちも続いて増配を発表する可能性が高いです。

そうなると、メガバンクたちの株価は大きく上昇する公算が高いです。

3.長短金利差の行方

次に、米国債の長短金利差に注目してみましょう。

現在のイールドカーブ(横軸:債券年数/縦軸:利回り)を見ると、ややなだらかなカーブとなっています。1年前(水色)のチャートと比べるとカーブが大きくなっています。

このことから、長期間と短期間の債券利回りに大きな差があることが分かります。

よって、銀行からすると利ざや(長期債利回りー短期債利回り)が増え、収益が増えることを意味します。

そのため、銀行株からすると嬉しい状況と言えます。

さらに現時点でFRBがテーパリングを検討していることから、テーパリングが実施されれば金利差がさらに拡大し、銀行株が上昇する相場となることでしょう。

よって、

 

  • テーパリングがいつになるのか?

  • 銀行株の決算は問題ないか?

 

といった点に注目していきたいです。

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