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【レポート】2021年の米国株式市場を総振り返りします!

2022年1月8日

今回は、2021年の米国株式市場を振り返っていきます。

インフレ過熱やテーパリング予想などに振り回された2021年ですが、株式市場自体は意外に好調でした。

株式市場のみならず金利なども交えて、振り返りをしてみましょう。

話題になったニュースをピックアップ

まず、話題になったニュースをピックアップして、振り返ってみましょう。

次項で解説する株式市場のパフォーマンスから、ニュースによって株式市場がどのように反応したのか、考察してみましょう。

バイデン氏が当選(1月~)

まずは、米国大統領選挙でバイデン氏が勝利したニュースが話題を集めました。

正確には2020年12月に当選したわけですが、2021年の株式市場を左右する重大なニュースでした。

前大統領であるトランプ大統領は株式市場の動きに敏感な方で、指数が上昇するたびにTwitterで喜びを表明していた人物でした。しかし、バイデン氏は株式市場に対して関心がない人物と言われていました。よって、バイデン氏が大統領になったことは株式市場にとってマイナスの要素だとされていましたが、いざ蓋を開けてみると米国市場はすこぶる好調な結果となりました。

また、もう一つの懸念事項として上院&下院が民主党(バイデン氏側)過半数とならず、議会がねじれてしまうことで米国の景気対策等が上手く運ばない可能性がありました。しかし、決選投票の結果、上院&下院ともに民主党過半数となったため、議会のねじれは回避されました。

このことも米国経済と株式市場の見通しを楽観視させました。

中国・恒大集団デフォルト問題(9月~)

次に、9月頃から燻り始めた中国・恒大集団のデフォルト問題です。

恒大集団(エバーグランデ)は中国の不動産大手企業であり、深刻な経営危機に直面しています。具体的には、総額約2兆元(約35兆円)に上る巨額の負債を抱えていると言われており、2021年の初めから資金繰りが急速に悪化していました。

そのため、10月以降の社債利払いが困難と見られ、総額192億3600万ドル(約2兆1746億円)のドル建て社債がクロスデフォルトする恐れがありました。

10月になると実際に”一部デフォルト”といったニュースや、中国政府が救済をするとの憶測が飛び交う状況となりました。

しかし、米国株式市場の反応を見るとそこまで危険視している様子はなく、むしろ「米国には関係のない」といったように見受けられました。

問題自体は未だ解決してませんが、現在は利払いの期限を延長してもらうよう交渉中とのこと。

オミクロン変異株の出現(12月)

次に、12月に南アフリカからオミクロン変異株が出現しました。分かっている情報として確かなものは、

 

  • これまでの変異株よりも感染力が強い

  • ワクチンを接種していても感染する可能性がある

  • これまでの変異株よりも重症化リスクが低い可能性がある
    (ワクチンを接種しているから重症化リスクが低い可能性もある)

 

となっています。

ただし、オミクロン株が出現した当初はこれらの情報が憶測で飛び交っていた状態であったため、株式市場は米国のみならず全世界で波乱の動きとなりました。そのため、代表指数は軒並み下落、経済回復後に期待されていたレジャー、航空、観光株は大きく下落しました。

しかし、徐々に確かな情報が公表されたことで、楽観的なムードとなりました。そのため、後から振り返ってみればオミクロン株による株式市場の急落は絶好の買い場となっていました。

米国株式のパフォーマンスに注目!

次に、実際の米国株式市場のパフォーマンスを見てみましょう。

見ていく順番としては、

 

  • 米国代表指数のパフォーマンス

  • S&P500のセクター別パフォーマンス

  • 他国と比べたパフォーマンス

 

となります。

代表指数のパフォーマンス

まず、代表指数であるS&P500、ダウ、ナスダック(QQQ)を見ていきます。

S&P500は年初値3,700から年終値4,800となり、+29%のパフォーマンスとなりました。

チャートを見ると綺麗な上昇トレンドが続いていましたが、11月~12月にかけてはトレンドラインを超えた/割った動きをしているため、やや不安が残る印象です。

S&P500のチャートです。

S&P500のチャートです。

 ダウは年初値30,000から年終値36,000となり、+20%のパフォーマンスとなりました。

こちらもS&P500に近いチャートとなっています。

ダウ指数のチャートです。

ダウ指数のチャートです。

ナスダック(QQQで代用)は年初値310から年終値400となり、+29%のパフォーマンスとなりました。

ナスダック(QQQ)のチャートです。

ナスダック(QQQ)のチャートです。

セクター別パフォーマンス

次に、S&P500のセクター別パフォーマンスを見てみましょう。

2021年のS&P500のセクター別マップです。

2021年のS&P500のセクター別マップです。

軒並みプラスの結果となっており、最も伸びたセクターはハイテク関連で、伸びが悪かったセクターは通信セクターでした。

GAFAMのパフォーマンスが素晴らしいです。

2021年最も話題となった銘柄であるテスラは+ %と微妙なパフォーマンスとなっているのは、最高値からの急落が要因です。また、次に話題となったモデルナも+ %と最高値からの下落が重しとなっています。

エネルギー、航空株が出遅れている印象があるため、2022年に注目しておきたいセクターです。また、テーパリングが本格化し米国債利回りが上昇していくことから低PERのバリュー銘柄にも注目しておきたいです。

他国パフォーマンスとの比較

他国とのパフォーマンスとして、全米株式ETFのVTIと他国別分散ETFを比較していきます。

(チャートの性質上、2022年1月のパフォーマンスまで含んでいますが、ご了承ください。)

全米株式ETFのVTIと他国別分散ETFの比較チャートです。

全米株式ETFのVTIと他国別分散ETFの比較チャートです。

ランキング順に並べると、以下の結果となりました。

  1. VTI(アメリカ):+23.06%
  2. VT(全世界):+15.15%
  3. ERUS(ロシア):+9.70%
  4. VEA(先進国):+7.50%
  5. EWJ(日本):-0.13%
  6. MCHI(中国):-23.70%

もちろん、これらの結果は経費率やドル建ての為替などを加味した結果であるため、正確な値ではありません。しかし、おおよその結果と合致しているため、米国が最もパフォーマンスが良かった国だったと言えます。

ちなみに全世界株式・VTのパフォーマンスが良かった理由は、ポートフォリオのうち過半数が米国で占めているからです。

米国債利回り&VIX指数

ついでに米国10年債利回り(以下、国債利回り)とVIX指数にも注目しておきましょう。

国債利回りのチャートを見ると、年初来0.9%だった利回りは1.5%まで上昇しました。2021年の最高値は1.76%になります。2021年になって早々に利回りが急上昇し、ハイテク系のグロース株が手酷くやられた記憶があります。

そこからいったんは落ち着き、7月~9月は1.3%付近で横ばいだったものの、テーパリングの話題が出るとトンと急上昇し、利回り1.5%となりました。

米国10年債利回りのチャートです。

米国10年債利回りのチャートです。

VIX指数を見ると、いくつかの箇所で24を超えて大きく上昇している時期があります。そのうちの1月と12月の30越えしたケースは、コロナ・ウィルスによる影響です。しかし、全体を通してみると2020年と比べてだいぶ落ち着きを取り戻したと思われます。また、急上昇したところも一過性のもので、すぐに20より下回っています。

2022年はもう少し落ち着いたVIX指数になってくれることを祈ります。

VIX指数のチャートです。

VIX指数のチャートです。

まとめ

今回は、2021年の株式市場の振り返りをしました。筆者は2021年のパフォーマンスはそこそこ快調で、最終的には+38%以上の成績となりました。

読者の皆さんも2020年の暴落から大きく利益を伸ばし、中には指数以上に利益を出した方も多いでしょう。

それだけ2021年は簡単な相場でしたが、2022年はテーパリングが始まり、いよいよ業績相場の幕上げです。指数は伸びにくいうえ、個別銘柄はセクターローテーションが激しい相場になりそうです。

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