株式投資

『インフレ対策』インフレヘッジとして保有しておきたいセクターを一挙紹介!

2021年7月22日

悩める人
悩める人

最近、株価ニュースを見ていると"インフレの見通しが○○"だとか、"インフレによるテーパリング時期が△△"だとかを目にするけど、インフレだと株式市場はどうなるのかな?

できればインフレに強いセクターの株式を持っておきたいけど...。

そもそもインフレとは?

インフレとは、インフレーション(inflation)の略称であり、物価上昇を意味します。

小学生のころ、社会の授業で「インフレは物の価値が上がることだよ」と先生に習った覚えはありませんか?

しかしながら、実のところ「インフレ=物価上昇」ではありません。

本質は「貨幣価値の下落」

インフレの本質的な意味は「貨幣価値の下落」です。

つまり、「円やドルといった貨幣の価値が下がったことで、相対的に物の価値が上がってしまう現象」ということになります。

また小学校の話になりますが、社会の教科書で「札束を薪代わりに火起こししています。これはハイパーインフレ(過度なインフレ)が原因です」といった説明とともに、古い写真を見たことを覚えていますか?

敗戦後のハイパーインフレに苦しむドイツ国民

行き過ぎたインフレにより、札束が無価値となってしまったことを象徴しています。

インフレは悪いもの?

インフレが進むということは、「汗水働いていて貯金した資産の価値が減っていってしまうこと」と同義です。

そのため、インフレは悪いものと思えるでしょう。

しかしながら、おおむね2%のインフレは実体経済にとって大切な要素とされ、”毎年のインフレ(物価上昇率)が2%である”ことを目安に世界各国の経済政策が決定されています。

「なぜ”2%”なのか?」というと、実のところ明確な証明や公式があるわけではありません。あくまで経験則によるものです。

しかし、この2%水準が景気に対してちょうど良いものとされています。

インフレは景気に良い?

物価が上昇すると不景気だと思いがちですが、実のところ安定的なインフレは景気によいとされています。

物価が上がることで実体経済に流入するお金が増え、企業の売上高も増えます。そのため、企業が雇用や設備投資に積極的になりやすいです。これにより、消費者の賃金が上がり、さらなるお金の流通が望めます。

対して日本のように長期のデフレが発生している場合はどうでしょうか?

円の本質的価値は上がっていても、輸入に依存している日本は間接的に他国のインフレの影響を受けます。よって、物価は上がっているけど、企業の業績は悪い。加えて、肝心の消費者が消費に消極的となっています。

よって、許容範囲内でのインフレは必要と言えます。加えて、各国で足並みを揃えてインフレを管理する必要もあります。

インフレに強いセクターとは?

では、本題のインフレに強いセクターとはどのようなものでしょうか?

そもそも株式はインフレに強い資産です。なぜなら、貨幣価値が減っていく時、資産家たちは現金を株式に換えるからです。

その中でも、特に強いとされているセクターは以下の2つになります。

 

  • エネルギーセクター

  • 素材セクター

 

では、理由を踏まえて解説していきます。

1.エネルギーセクター

エネルギーセクターが強いとされる理由は原油価格にあります。インフレによって物価が上がるため、原油価格が押し上げられます。

実際に、インフレが懸念され始めた2021年の原油価格を見てみましょう。

急速に原油価格が回復し、コロナショック前を超えて急騰していることが分かります。そのため、原油の採掘や精製を行なう企業の業績は右肩上がりとなることが期待され、株価が上昇しました。

また、同様の理由で天然ガスや石炭を取り扱う企業も同じ理由で株価が上昇します。

エネルギーセクターで主要企業とされるエクソンモービル($XOM)やシェブロン($CVX)の場合、原油・天然ガス事業の両方を行なっているため、両者の恩恵を受けやすいです。

また、2021年現時点でのエネルギーセクターはインフレ要因とは別に、景気回復に伴う消費需要の回復も見込めるため、注目しておきたいセクターになります。

エネルギーセクターの銘柄にまとめて投資したい場合は、S&P500内のエネルギーセクター企業に一括で投資できるETF「エネルギーセレクト・セクター SPDRファンド」($XLE)へ投資することをおすすめします。

2.素材セクター

素材セクターが強い理由は、エネルギーセクターと同様に素材価格の上昇が挙げられます。

特に工業材料として活用される”銅”と、安定資産として評価されている”金”は大きく上昇する傾向があります。

☆銅価格

☆金価格

また、コロナ後のように急激に景気回復を迎える局面では、消費者が住宅の建設に積極的になるため、木材価格の上昇も起こります。

2021年7月現在は材料価格の上昇が一服し、調整局面を迎えていますが、今後の景気次第によってはまた一段の上昇が見込めます。そのため、景気&インフレに関する経済指標と合わせて確認することをおすすめします。

素材セクターの銘柄にまとめて投資したい場合は、S&P500内の素材セクター企業に一括で投資できるETF「素材セレクト・セクター SPDRファンド」($XLB)へ投資することをおすすめします。

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