株式投資

『2022年最新』エネルギーセクターETFの見通しを推察する!

2021年6月30日

エネルギーセクターとは?

エネルギーセクターと聞くと、読者の皆さんはどのような印象をお持ちでしょうか?

  • 石油や天然ガスの採掘や精製をしてる業種

  • 原油価格に業績が依存してる?

詳しく知らない方は、このような印象をお持ちの方が多いかと思います。

実際、石油や天然ガスの採掘及び精製をしている企業がエネルギーセクターとされています。また、輸送や貯蔵といった事業も該当します。

「投資」としてのエネルギーセクター

今後、エネルギーセクターは重要なポジションとなるため、投資対象として理解を深めておく必要があります。なぜ重要になっていくのかと言うと、アフターコロナによるインフレリスクが懸念されているからです。

エネルギーセクターは原油や天然ガスに依存した業界となっています。よって、原油価格が上がれば上がるだけ業績が良くなっていきます。つまり、インフレのように素材そのものの価格が上昇する場面では、非常に注目されるセクターです。そのため、エネルギーセクターはインフレに強いセクターとされています。

また、「脱炭素社会」といったワードが注目されている一方で、従来の石油需要はまだまだ遠い将来まであり続けます。そのため、不景気や景気後退期において一定の需要がある業界とされています。よって、不景気&景気後退期に強いセクターともされています。

短期:コロナ回復後の急回復

次に、短期視点におけるセクター評価を解説していきます。

まず、アフターコロナ経済に移行するため、米国経済のコロナショックからの急回復により、サプライチェーンに大きな混乱が起きています。実際、2022年2月に発表された1月CPI(消費者物価指数)では市場予想を上回る結果となり、いまだインフレの状態が続いています。予想時点で高い水準であったにもかかわらず、予想を超えたため、引き続きインフレ環境での投資になります。

2022年1月CPI(消費者物価指数)総合:7.5%(予想:7.3%)
コア:6.0%(予想:5.9%)

実際、原油先物を見ると、90ドルの大台を上に抜けています。このまま上昇し続け、100ドルを超える強気の予想も出ています。

1月OPECプラスの会合でも増産ペースが加速されなかったため、しばらくは供給不足に悩まされることになるでしょう。また、ウクライナ情勢によっては天然ガスに引っ張られる形でさらなる急上昇が待ち構えているかもしれません。

長期:脱炭素社会化による需要減

次に、長期視点におけるセクター評価を解説していきます。

まず、短期的な原油高が見込まれるとの話があったため、今後も明るいように思えるエネルギーセクターですが、残念ながら長期的には暗いセクターとなっています。

というのも、世界的な”脱炭素社会”への移行が近年注目されていて、米国では大規模なインフラ計画によりクリーンエネルギー事業が大きく成長する公算が大きいです。そのため、将来的に原油需要は大きく減少すると思われます。

ただし、矛盾するようで恐縮ではありますが、今後数年程度であれば株価に与える影響は少ないとの見込みがあります。というのも、現代社会においての原油は自動車のガソリンだけでなく、日用品や衣服から医薬品の原料としても使用されています。こうした需要は今すぐにどうこうできるものではないため、過度に心配する必要はありません。

エネルギーセクターの主要業種を分類すると?

エネルギーセクターの業種を整理すると、

  • 原油採掘、精製、開発、貯蔵

  • 天然ガス採掘、精製、開発、貯蔵、運搬

といった具合になります。

石油メジャー最大手のエクソン・モービル(XOM)を例に挙げると、石油と天然ガスの事業を一括して行なっています。その他に、キンガー・モルガン(KMI)の場合はパイプライン輸送や貯蔵タンクの管理&運営のみを行なっています。

エネルギーセクターETFの比較

次に、エネルギーセクターのおすすめETFを比較していきます。

ご紹介するETFは以下の3銘柄となります。

  • XLE(エナジー・セレクト・セクターSPDRファンド)

  • VDE(バンガード・エネルギーセクターETF)

  • USO(ユナイテッド・ステイツ・オイル・ファンド)

XLE(エナジー・セレクト・セクターSPDRファンド)

まず、XLEをご紹介します。

米国のS&P500に該当する原油・天然ガスの開発・生産会社、掘削および他のエネルギー関連サービスを提供する企業に分散投資するETFです。そのため、アメリカのみへの投資となるため、国別の分散効果はありません。

経費率は0.12%の一方で、配当利回りは3.83%と非常に高いです。

構成銘柄は21銘柄と少ないものの、構成上位5銘柄はエクソン・モービルやシェブロンといったかなりの大手で構成されているため、そこまで心配する必要はないかと思います。

VDE(バンガード・エネルギーセクターETF)

次に、VDEをご紹介します。

米国の上場している全てのエネルギー関連企業へ分散投資するETFとなっていて、XLEよりも高い分散性があります。ただし、こちらもアメリカのみへの投資となっているため、その点は注意が必要です。

構成銘柄は103銘柄と非常に幅広い反面、構成上位5銘柄はXLEとほとんど同じとなっています。

経費率は0.10%で、配当利回りは3.38%となっています。そのため、経費率はXLEよりも低いものの、利回りを考慮するとXLEに軍配が上がります。

USO(ユナイテッド・ステイツ・オイル・ファンド)

次にご紹介するUSOは、エネルギーセクターではなく、原油先物に連動するETFになります。

エネルギーセクターへの投資をしつつ、原油そのものに投資したいけど先物取引ができないという方はこちらのETFに投資してみてください。ニューヨーク・マーカンタイル取引所におけるWTI原油先物価格に連動するようになっているため、先物取引と同じ値動きで取引できます。

経費率は0.72%と高く、事実上の先物取引となるため配当がないことに注意が必要です。

「結論」安定した投資ならXLE&VDE

エネルギーセクターに投資するのであればXLEか、VDEへの投資を推奨いたします。

また、原油先物に連動するUSOに投資するのも良いと思います。ただし、CFDのようにレバレッジを任意に設定できないため、経費率に比べてあまり利益率は良くありません。

もし可能であれば、USOよりもCFDによる原油先物への取引を推奨いたします。

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