『FIRE』早期リタイアは若者にとって希望の光に成り得るのか？

『FIRE』という密かなブーム

読者の皆さんは、すでに『FIRE』という言葉をご存知でしょう。「早期リタイア」とも言い換えられているこの言葉ですが、読者の中でも目標として掲げている方もいることでしょう。

近年、この「FIRE」が若者投資家の間で非常にブームとなっています。その証拠にTwitterで”FIRE”と検索すれば、多くの投資家アカウントがヒットします。そのどれもがユーザー名やプロフィールに”FIRE”の文字が浮かんでいます。

なぜこのようなブームが生まれたのでしょうか？

“将来の暗さ”と”インフルエンサー”が火付け役か？

ブーム到来の理由はいくつかあるかと思いますが、筆者は以下の2つが大きな理由だと考えています。

前者の若者が抱いているであろう終身雇用や年金、低給料といった将来への不安に対して、YouTubeやSNSを開けば同世代がいとも容易く大金を稼いで（いるように見え）ます。そんなインフルエンサーに嫉妬、憧れを抱く中、

これら2つが相まって、”FIRE”のような価値観が急激に広まったのだと思います。

“アングラ感”も一要因か？

周囲の友人や同僚、上司が投資していないなか、自分ひとりが密かに投資し続ける。こうしたアングラ感にスリルのようなものを感じるのかもしれません。

このような側面に若者は”イケないことをしている”ような気持ちよさを感じ、投資にハマるきっかけになっているようにも思えます。

実際、会社に勤めつつ投資をしている筆者も、周囲で投資している人がいないなか、「俺だけが知っている賢い生き方だ！」と勝手に興奮し、勝手に投資を楽しんでいました。

“FIRE”の引き換えに必要な犠牲

「おとぎ話のような“FIRE”の実現は難しいのか？」というと、きちんと計画を立てていれば実現可能です。とはいえ、厳しいことには変わりありません。

しかしながら、こうした情報を理解しつつも大抵の人は安易に考える傾向にあります。

例えば、

「FIRE実現のために3,000万円が必要にもかかわらず、”節約すれば大丈夫！”と考えて2,000万円に目標を引き下げる。」

「毎月5万円積み立てなければいけないのに、段々と積立額を下げていってしまう」

といったことをしてしまいがちです。

しかし、こうした甘えは最終的に”FIRE”を諦めることに繋がります。

そのため、一度決めたことはストイックにやり遂げることが重要となってきます。

「注意」悪質な情報に振り回されないように

 悪質な情報には注意が必要です。

そもそも誤った情報で計画を立ててしまったら全てが水の泡となります。

「自分は慎重派だからそんなことあるわけない！」と思っている読者さんもいるかと思います。

しかしながら、情報の倉庫となっているインターネット上には意図的に騙そうとする悪質な情報が溢れています。こうした情報に振り回されるとお金を貯めるどころか、悲しい結末となります。

また、正しい情報ではあるが読む人によっては誤った情報となる場合もあります。

例えば、「米国のS&P500は過去10年を見て素晴らしい成績を残している。だから、ベストな投資先である」という情報があったとします。

確かに過去10年ではベストだったのかもしれません。しかしながら、今後10年ではどうなるかは分かりません。こういったことに気づかずに安易に考えてしまうことがあります（かく言う筆者もその傾向にあります）

量産されている「FIRE」には特に注意

特にTwitterのようなSNSには気をつけておかなければなりません。

最近は”FIRE達成”、”FIRE投資家”、挙句の果てには”リベラル”、”バフェット”とてんこ盛りのアカウントが量産されています。

それら全員を否定するつもりはありませんが、

といった怪しいアカウントがあることも事実です。

フォロワーの数を見て、「なんか凄そう！！」と盲信してしまいがちですが、こうしたアカウントには触れないほうがよいと思います。

筆者はタイムラインがごちゃごちゃしてストレスにならないように、ごく少数のみをフォローするようにしています。（フォロワーはもっと少ないですが...）

“FIRE”を目指すことは素晴らしいこと

結論となってしまいますが、”FIRE”を目指すことは素晴らしいことです！

“FIRE”に限らず、何か目標を掲げて打ち込むことは非常に良いことです。

しかしながら、”目標を作る”ことだけに満足せず、達成のために努力することを忘れないようにしてください。

また、ネット上の情報に振り回されることなく、正しい情報を見つけ出し、正しい努力ができるように気をつけてください。