株式投資

【ETF紹介】シルバーへの投資方法を解説します!【今後の見通し】

2021年11月23日

シルバーへの投資について解説します。

今回は、貴金属であるシルバーへの投資について解説していきます。

シルバーはゴールド、プラチナと並ぶ貴金属である一方で、太陽光パネルなどの工業製品に使用されています。

そのため、ゴールドとは異なった需要があるシルバーを投資対象としてチェックしておくことをオススメします。

シルバーの今後の見通しについて

最初に、シルバーそのものの今後の需要・見通しを解説していきます。

短期的な見通しを推察するには、米国債の長期金利に注目する必要があります。なぜ金利が重要になってくるのかと言うと、ゴールドやシルバーはただ持っているだけでは利息がつきません。そのため、国債金利が上昇する場面では、貴金属より国債に軍配が上がります。よって、金利上昇時にはシルバーは安くなる傾向にあります。

2021年11月現在の状況を見ると、米国でのテーパリングの懸念により長期金利が上昇しています。よって、短期的にシルバーにとって辛い局面になるかもしれません。

悪材料出尽くしで買いの好機?

しかしながら、テーパリングを後押ししている要因として、急激なインフレ加速が挙げられます。インフレ局面では現金より株式、コモディティへ資金が流れる傾向にあるため、シルバーにとっては追い風です。また、これまでゴールドやシルバーはテーパリング懸念などから弱気相場がずっと続いていました。そのため、いざテーパリングが始まったら悪材料出尽くしから徐々に強気相場入りしていく可能性も考えられます。

よって、シルバーの見通しとしては「予想を立てて今すぐ押し目買い」というより『強気相場入りを確認してから売買判断』が良いでしょう。

シルバーへの投資方法は大きく分けて2つ

では、シルバーへ投資する場合、以下の2択が挙げられます。

①シルバーそのものへ投資する

②シルバー採掘会社へ投資する

それぞれ解説していきます。

シルバーそのものへの投資

シルバーそのものへ投資する場合は、ETFかCFDのどちらかを選ぶ必要があります。

ETFの場合、シルバー価格と連動したETFに株式と同様に投資して、売却時の差額を利益として得ることができます。

CFDの場合、シルバー価格そのものに売買し、差額分を利益として得ることができます。ETFとの違いは最初に売りか、買いかのどちらかを選択できることです。つまり、シルバーが下落相場でも最初に売って、下落相場が終わったあたりで買えばその差額が利益となります。下落相場でも利益を得られることがCFDの強みといえます。また、レバレッジを欠けられる点も大きな強みです。

今回は、初心者向けの記事ということで比較的低リスクなETFでの投資をご紹介いたします。

シルバー採掘会社への投資

次に、シルバー採掘会社への投資をご紹介します。

シルバーそのものではなく採掘会社へ投資するメリットとして、シルバーの価格変動以上の利益を得やすいからです。その理由として、オペレーションレバレッジが挙げられます。

採掘会社の利益は採掘したシルバーの価格に対して採掘コストを差し引いたものとなります。そのため、シルバー価格が上昇する場面では採掘コストに対する利益率が上昇していきます。これをオペレーションレバレッジと言います。

よって、シルバーが強気相場入りすると採掘会社の株価が大きく上昇する傾向にあります。

しかしながら、シルバーが弱気相場入りするとすぐさま株価を下げるのが採掘会社のデメリットになります。この点に注意して投資するようにしましょう。

筆者がおすすめする投資銘柄2つ

次に、筆者がおすすめするシルバー関連銘柄2つをご紹介いたします。

1つ目は、シルバー価格に連動するETFのiシェアーズ・シルバー・トラストです。

2つ目は、シルバー採掘会社のパン・アメリカン・シルバーです。

詳しい内容を解説していきます。

iシェアーズ・シルバー・トラスト(SLV)

iシェアーズ・シルバー・トラストの株価チャートです。

iシェアーズ・シルバー・トラストの株価チャート

 

執筆時の価格:22.3ドル

経費率:0.5%

配当:0.0%

運用会社:ブラックロック

 

iシェアーズ・シルバー・トラスト(SLV)は、ブラックロックが保有する銀価格に対して運用コスト、負債を差し引いた分をETF価格に反映したものになります。

そのため、経費率を除けば銀現物を保有していることと大差ありません。現物取引の場合、手数料が多くかかるため、場合によってはETFのほうが安上りかもしれません。

念のため、銀先物価格との比較をしてみました。(青:銀先物、オレンジ:銀ETF・SLV)銀先物と銀ETFの比較チャートです。

銀先物と銀ETFの比較チャート

両者ともに同じ値動きをしています。SLVに対して先物がやや下回っているのは、経費率等がかかっているからです。

パン・アメリカン・シルバー(PAAS)

パン・アメリカン・シルバーの株価チャートです。

パン・アメリカン・シルバーの株価チャート

 

執筆時の株価:25.9ドル

配当:1.5%

PER:26.9

 

パン・アメリカン・シルバー(PAAS)はメキシコ、ペルー、アルゼンチンなど中南米を中心に銀を採掘している企業になります。銀のみならず金、亜鉛なども採掘しています。

チャートを見ると2020年3月に10ドルの安値をつけて以降、大きく値を上げています。これはコロナ禍の不安定要素からゴールドやシルバーへ資金が流れたことが要因です。しかし、8月には40ドル手前でレジスタンスとなり、下落基調となっています。11月に下落トレンドを破るように上昇を見せていますが、この流れが今後続いていくのかどうか判断する必要があります。

まとめ

今回は、シルバーの今後の見通しやシルバーETFをご紹介しました。

テーパリングやインフレといった材料があるため、シルバーへの投資が難しい局面ではあります。しかし、チャートとしては調整局面であり、上抜けできれば大きく上昇する可能性があります。

今すぐ買うほどの投資対象ではありませんが、日々チェックしておいて損はないでしょう。

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