株式投資

【ETF紹介】原油へ投資する方法を解説します。

2021年11月14日

今回は、エネルギー系コモディティとして広く知られている原油への投資方法を解説します。

ふとした拍子に原油価格が急騰した際に、投資の波に乗り遅れないためにも、この記事をぜひ参考にしてみてください。

原油の今後の見通しは?

原油への投資方法をご紹介する前に、そもそも原油の今後の見通しについて考えてみましょう。

原油の長期的な見通しとしては、「脱炭素、クリーンエネルギーの促進」から徐々に減産されていくと見られています。しかし、2、3年ですぐさま原油が不要になるわけではありません。

2021年現在の様相を考慮すると、エネルギーセクターのみならず日用品、工業製品やケミカル類ですら原油に依存しています。そのため、すぐさま原油を不要とした切り替えは難しいでしょう。また、原油を無理やり使わないようにすれば、現在起こっている”中国の石炭から天然ガスへの切替による電力不足”のように、何かしらのシワ寄せが発生するでしょう。

よって、原油はゆくゆくは減産へ向かうものの、それは5年後までは大きな影響にはならないでしょう。

次に、原油の短期的な見通しとしては、景気回復などによるインフレによって大きな向かい風となるでしょう。実際、中国の電力不足によって原油のみならず天然ガス(特にLNG)が大きく値を上げています。

また、生産会社が増産に踏み切っていないことから、原油価格が高止まりする公算が高いです。(実際には上場企業が増産していないだけですが...。)

原油へ投資する方法は?

原油へ投資する場合、大きく分けて以下の2つに分類できます。

 

  • 原油価格へ投資する

  • 原油を生産する企業へ投資する

 

今回は、コモディティ投資をメインとしている記事であるため、原油価格への投資に比重をおいて解説します。

原油価格へ投資

原油価格へ投資する場合、重要となってくる指数は原油先物価格です。いくつかの原油先物価格がありますが、代表的な指数である”WTI原油先物”が原油価格の指標とされています。

”WTI原油先物”は、テキサス州とニューメキシコ州を中心に産出される原油の先物になります。

この原油先物へ投資する場合は、指数と連動するETFか、指数そのものへCFDを活用して投資する方法があります。

ETFの場合、株式と同様に現物取引用の証券口座さえあればすぐさま投資できます。しかし、運用コストとして経費率がかかってしまいます。また、指数と完全に連動するわけではないため、若干のズレが発生します。(といっても誤差レベルであるため、気にせずともよい内容ですが...。)

一方でCFDの場合、取引手数料を無料としている証券口座が多いため、運用コストがかかりません。また、レバレッジ取引ができるため、短期間で大きく利益を得ることができます。

今回の記事では原油取引を始めたい方向けの内容であるため、ETF取引を推奨させていただきます。後ほどおすすめの銘柄も紹介いたします。

原油生産会社へ投資

原油生産会社へ投資する場合、上場している銘柄を選ぶ必要があります。

原油そのものへ投資するケースと比べて、株価が大きく値動きする傾向にあります。その理由として、採掘コストは一定であることが関係しています。

生産会社の利益率を大雑把に考えると、「原油価格ー採掘コスト」となります。よって、原油価格が上昇する場合、必然的に利益率が上昇します。

これを「オペレーション・レバレッジ」と言います。

一方で、原油価格が下落すれば原油ETF以上に原油関連銘柄には向かい風となることも覚えておかなければなりません。

詳しくは「『2021年最新』エネルギーセクターETFの見通しを推察する!」に載せております。

おすすめの原油先物ETF紹介

今回はコモディティ投資記事のため、おすすめの原油ETFをご紹介していきます。

原油生産会社の株式へ投資したい場合は、前述の記事をご参照ください。

では、今回の記事で解説する原油ETFは以下の3つになります。

 

  • WTI原油価格連動型上場投信(1671)

  • NEXT FUNDS NOMURA 原油インデックス連動型上場投信(1699)

  • ユナイテッド・ステイツ・オイル・ファンド(USO)

 

それでは詳しく解説していきます。

WTI原油価格連動型上場投信(1671)

WTI連動上場投資信託1671の株価チャートです。

WTI原油価格連動型上場投信(1671)

 

執筆時の1口価格:1,837円

最低取引数:1口

運営会社:シンプレクス

信託報酬:0.935%

 

前述した原油先物の代表指数である”WTI原油価格”に連動するETFになります。そのため、原油先物とほぼほぼ連動していると考えて問題ありません。

また、2,000円から投資できる敷居の低さが特徴です。

しかしながら、信託報酬が0.935%と1%近いため、他の原油ETFと比べると割高に感じます。

「原油先物に連動するならどのETFも変わんねぇわ!」と考えている人にとっては、もっと信託報酬が低い原油先物ETFを選ぶべきでしょう。

NEXT FUNDS NOMURA 原油インデックス連動型上場投信(1699)

NEXT FUNDS NOMURA 原油インデックス連動型上場投信(1699)

NEXT FUNDS NOMURA 原油インデックス連動型上場投信(1699)

 

執筆時の1口価格:227円

最低取引数:10口

運営会社:野村アセット

信託報酬:0.55%

 

信託報酬をより低くした原油先物ETFがこちらの野村が運営するETF・1699になります。

このETFの最も面白い特徴が、”NOMURA原油インデックス”という指数に連動するように運営されている点です。この”NOMURA原油インデックス”という指数は、野村が独自に作り出した指数であり、世界中の各地域から流動性が高いもののみを選別・構成させた指数になります。

よって、”WTI原油価格”とは違い、世界に分散された価格となります。とはいえ、大きな差とはならないため、あまり深く考える必要はありません。

“とりあえず原油価格で利益を得たい!”という方はこちらのETFで充分でしょう。

ユナイテッド・ステイツ・オイル・ファンド(USO)

ユナイテッド・ステイツ・オイル・ファンド(USO)

ユナイテッド・ステイツ・オイル・ファンド(USO)

 

執筆時の1口価格:58.03ドル

最低取引数:1口

運営会社:ブラウンブラザーズ

信託報酬:0.72%

 

次に紹介するETFは、ユナイテッド・ステイツ・オイル・ファンド(USO)になります。よって、”WTI原油価格”に連動した値動きとなります。

前述の2つのETFとの違いはドル建てとなる点です。そのため、為替リスクを考慮しなければなりません。

しかしながら、原油価格が上昇する場合、一般的には生産国である米国に資金が流入します。そのため、ドル買いが促進されます。逆に原油を生産していない日本には資金流入の恩恵がありません。

よって、原油が急騰する場面ではドル買い円売りとなりやすく、ドル円も一緒に上がりやすいです。こうしたテンプレートのような動きをする市場であれば、こちらのドル建て原油先物ETFを検討するしてみるのもアリです。

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